山陰線・香住駅が昨年10月1日でみどりの窓口が閉鎖され無人化されました。兵庫県香美町で唯一の有人駅でしたが、これで町内全駅(佐津~餘部間)が無人駅となりました。
国土交通省の「国土数値情報(駅別乗降客数データ)」によると、香住駅のコロナ禍前まで数年の乗降客数は1日800人前後で推移していました。乗車人員にすると1日400人程度だと思います。
乗車人員だけ見るとみどりの窓口がなくなっても仕方がない数字だと思いますが、香住駅は全車指定席の特急列車の発着もあり、松葉ガニの産地で冬場は多くの観光客で賑わうところです。いきなり無人化するのは思い切ったと言うか、かなり乱暴な印象は受けました。
特急停車駅ということもあり、無人化翌日からみどりの券売機プラスが稼働しています。無人駅+みどりの券売機プラスという営業形態は他に山陽線・庭瀬駅、紀勢線・湯浅駅などありますが、珍しい営業形態ではあります。
ただ、庭瀬・湯浅の両駅は最寄りの有人駅まで5Km以内ですが、香住駅は最寄りの有人駅である浜坂駅までは20Kmほど離れているので、券売機トラブルが発生すると、ちょっと困ったことになりそうです。
みどりの窓口があったところは、無人化の際に板で覆われて時刻表が貼られ、あたかも元から窓口なんてなかったかのような雰囲気になっていました。また、10月から「トワイライトエクスプレス瑞風」が停車するとかで、駅舎内のリニューアル工事が行われ、待合室がきれいになり床のタイルが新しくなっています。
個人的に香美町にはカニを食べに毎年来ているんですが、いつも利用する民宿は2つ隣の佐津駅が最寄りなので、香住駅で乗り降りする機会は案外ありませんでした。なので、無人化の直前に季節はずれの香住へ買い物に行った次第です。入場券に押されたチケッターの「香住駅」の部分がやけに詰まっているのが特徴的です。
無人化後に再訪した際にみどりの券売機プラスでもきっぷを購入しています。発売箇所表記は「香住駅MK1」となっています。この程度のきっぷであればオペレーターを介さなくても買えます。
最近のJR西日本のみどりの券売機では入場券口座が設定されていますが、香住駅はみどりの券売機プラスにも近距離券売機にも入場券口座はありませんでした。掲示にある通り無人化のタイミングで発売終了となったようです。まぁ無人駅であれば入場券なんてなくてもホームへの出入りは自由ですからね。
香住駅では無人化とともに駅のごみ箱が撤去され、「パーク&レール」サービスも終了しました。きっぷを買うだけであればみどりの券売機プラスで大部分カバーできますが、駅を利用するにあたっては不便になっています。つまり無人化とはこういうことなんだなと現地で見て改めて実感した次第です。