続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

車内改札印の省略

 新型コロナ禍で人と人が極力触れ合わない非接触化がとかく持て囃されている感があります。現場の省力化や人件費削減の手段として新型コロナ禍以前より推進されていたチケットレス化や窓口閉鎖し券売機に置き換える施策は、最近では非接触化の手段としても強調されています。

 そんな中、非接触化の推進策の一つとして、在来線特急の自由席の車内改札で車掌がきっぷを確認する際に目視だけで済ませている会社があります。実際に乗車時にそういった車内放送が流れ、車内改札時はきっぷを車掌に見えるように呈示するよう要請があります。

 少なくともJR北海道と九州はそれを実施しています。逆に本州三社は今まで通り確認しチケッターの押印までちゃんと行います。四国は私自身があまり特急の自由席に乗っていないので不明です。

 JR九州では自由席特急券は目視のみの確認となり、新型コロナ禍以降で押印されたことは一度もありません。

 特急回数券についてはチケッターを押印することになっていますが、こうして特急回数券でも押印をサボる例があって、「ここはサボっちゃいかんだろ」と思うこともあります。

 チケッターの押印を省略する(もしくはサボる)ことで危惧しているのは、使用した痕跡が何も残らないので、容易に不正行為ができてしまうことです。自由席特急券であれば虚偽で不使用の申告をし払い戻しや乗車変更ができますし、特急回数券は特急券部分の再利用ができてしまいます。

 新型コロナ初期のころは短時間の接触でも感染する恐れがあると言われていたので、非接触化を理由にこういった施策を推進する説得力がありました。しかし、濃厚接触者の定義は「お互いマスクなしで1m以内で15分以上の接触」とされているとおり、今やお互いにマスクした状態で車内改札でのきっぷの授受で数秒接触するぐらいなら感染リスクは限りなくゼロに近いでしょう。

787系のチケットホルダー 2022/2/23

 現在の感染リスクと不正利用のリスクを天秤にかけると、ごく短時間の接触では感染しないと分かっているにも関わらず、容易に不正行為ができる状況を放置するのは好ましくなく、自由席特急券へのチケッターの押印は再開すべきです。それに背もたれのチケットホルダーを有効利用すれば非接触できっぷの授受ができます。押印有無で違うことがあるとすれば、チケッターのインクの消費量ぐらいでしょうから。感染リスクを口実とした手抜きはよろしくないです。