今年3月のダイヤ改正で大阪駅うめきたエリアが開業しました。「うめきた」とは大阪駅北側にあり2013年3月末で廃止された梅田貨物駅跡の再開発エリアのことです。梅田貨物駅の機能は近隣の百済貨物ターミナル駅と吹田貨物ターミナル駅に分散して移転されました。
梅田貨物駅を取り壊し再開発工事を進めるとともに、梅田貨物線を地下化し地下に旅客用の北梅田駅(仮称)を建設する工事も進められました。その後、北梅田駅は新駅としてではなく大阪駅の離れとして設置されることが決まりました。
既存の大阪駅のホームの下り方(塚本寄り)に地下通路と改札口(西口)が設置され、うめきたホームと連絡しています(11番線は除く)。北梅田という仮称の駅名が設定されていたぐらいなので、大阪駅から北新地駅ぐらい離れているのかと思いきや、苦になるほど遠くは感じませんでした。
上の写真の「←22」のサインは固定表示ではなく、デジタルサイネージで表示されていて、列車の到着状況によって内容が切り替わります。いかにも近未来感あふれる雰囲気ですが、見直そうとしたら切り替わって分かりにくいと感じる人はいると思います。
うめきた地下改札にはおそらくJRグループでは初となる顔認証の改札機も設置されています。顔認証を利用するには大阪~新大阪間の定期券を持っていることが前提条件で、そのうえで事前にWESTERアプリで撮影した顔を登録しておく必要があります。なので外観を遠巻きから眺めるだけで終わりました。
ホームは西九条方面が21・22番線、新大阪方面は23・24番線となっています。意外なことにホームドアは21番線にしかありませんでした。ホームで列車を撮る分にはホームドアがない方がありがたかったりします。
大阪からくろしお5号に乗車。ご自慢のフルスクリーンのホームドア。 pic.twitter.com/jrdOwpXhgb
— imadegawa075 (@imadegawa075) March 19, 2023
21番線だけにはこのようなフルスクリーンホームドアが導入されていました。車種に応じて開口部を自在に変更できる世界初のタイプだそうです。動きが複雑なゆえにホームドア自体の価格が非常に高そうで、設置は必要最小限に留めた印象は受けました。
梅田貨物線はダイヤ改正に1ヶ月先立って今年2月13日から地下に切り替えられていて、特急「くろしお」・「はるか」は一足先に地下区間を走行していました。ダイヤ改正当日からおおさか東線も乗り入れるようになりました。
ダイヤ改正前 (快速) |
ダイヤ改正後 (特急) |
|
---|---|---|
大阪~和歌山 | 1時間30分 | 57分 |
大阪~関西空港 | 1時間07分 | 47分 |
それまで大阪駅から和歌山・関西空港へはこれまで大阪環状線ホームから紀州路快速や関空快速を利用する必要がありました。それがうめきたホームから「くろしお」や「はるか」が利用できるようになり所要時間が短縮しました。ただし、特急料金は別途必要になっているので、手放しで喜べないとは思いますが...。
「はるか」の大阪着の特急券です。JR京都線や琵琶湖線から大阪駅へは既存ルートでも行けるので、この区間だけ「はるか」に乗るメリットは新快速の混雑を避ける以外はあまりありません。
大阪駅と阪和線沿線はこれまでも快速列車で行き来できましたが、特急料金を課金することで時間短縮ができます。また、和歌山以南から特急列車で大阪駅に直通できなかったのができるようになったことは大きいと感じます。
実際に和歌山駅や白浜駅では天王寺や新大阪ではなく、大阪までの「くろしお」の特急券を買い求めている人をよく見かけました(ホントはe5489やチケットレスで取った方が安いんですけどね)。今まで望まない乗り換えをさせられていた人が結構いたんだなと感じました。
こうして駅は開業したものの、うめきた周辺はまだ絶賛再開発中です。うめきた改札から直接地上に出る出口付近はこのように仮囲いで囲まれていて周囲は何もありません。いまは何もない分これからどう街が形作られどう変わっていくのか楽しみではあります。