続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

カニ食いね~

駅長おすすめ駅プラン「香住ガニ」

 「カニ食いたい」

 友人A(非鉄)がこんなことを言ったのは確か9月中旬のことでした。その行間には「お前が全部企画・手配してオレを連れてってくれ」という意味が含まれているのは経験則でわかっていました。費用はいったん私が全部立て替えて、帰りの車内で全経費をきっちり割り勘で回収するのがいつものパターンです。まるでジャイアンのような男です。これでは無料のツアコンと何も変わらないので、随所に鉄ヲタ的要素を盛り込んで憂さ晴らししています。

Kani

 カニは寒くなる12月入ってからというイメージがありました。そしてAが住んでいる大阪府某所から近いところだと丹後辺りが手ごろかなという結論に達しました。そう思っていたところに、9月下旬に関西に行った際にカニの写真がデカデカと印刷されたJR西日本の「秋の味覚」なるパンフレットを見つけました。それによると9月から丹後ではないですが山陰線・香住駅近辺(兵庫県香美町)で香住ガニが食べられることがわかりました。

Akinomikaku

 JR西日本では「駅長おすすめ駅プラン」という名称で往復JR+日帰りグルメを組み合わせたプランを発売していることは以前から知っていました。しかし、私は首都圏在住なので使う機会はありませんでした。それゆえどういうきっぷで発売されるのか前から気になっていました。これなら私の興味を満たすこともできます。

 このプランは2人以上からの受付で、JR西日本の駅のみどりの窓口でも申し込めるほかフリーダイヤルの電話予約でも対応しています。駅では3日前、電話予約は5日前までに予約が必要です。順当に考えるとAが近所のJR西日本の駅へ行って申し込めばいいはずなんですが、なぜか私が出張先の札幌から電話をかけて手配しました。

 電話でのやりとりはまず希望日に人数分の料理プランに空きがあるかどうかを照会→出発駅の設定・乗車列車の空席有無を照会→もろもろの注意事項の確認→その場でカード決済という流れになります。パンフレット片手に話を進めたのでスムーズでしたが、案外時間を要し通話時間は13分にもなりました。料理プランに空きがなければ発売できませんが、列車に空席がない場合は自由席になります。

 受け取りは駅のみどりの窓口の他、「みどりの券売機」でも可能です。私は出発前日に「みどりの券売機」で受け取りました。きっぷは2人でおそらく10枚程度だろうなと思っていましたが、15枚も出てきてすごい厚さになりました。15枚の内訳は以下のような感じです。

  • 往復のJRの乗車券(2枚×2人分)
  • 注意書きのフリップ(1枚×2人分)
  • 往復の指のみ券(2枚×2人分)
  • 食事券(2枚×2人分)
  • 食事の個室利用券(1枚)
  • カード利用控(1枚)
  • 領収証(1枚)

 私が使った高槻発のプランは香住までの往復JR特急指定席+カニ料理が付いて一人13,300円でした。この内訳はJRが6,800円で料理が6,500円です。片道だけで6,000円を軽く超えるのでJRはかなり割安になっています。あと、かえり券は城崎温泉駅で途中下車できるようになっていて、カニを食べた後は城崎温泉の湯めぐりに出かけるなんてこともできます。

P0090 (ゆき)

P0091 (かえり)

Kaniflip (注意書きのフリップ)

 きっぷはこんな感じでした。指のみ券は普通のものと変わらないので割愛します。駅で発売するとはいえパックツアーなので○契だと思っていたところ、〇企だったのが意外でした。見かけ上は普通の往復割引のトクトクきっぷと変わりません。ゆき券の「『かえり』のきっぷと食事券をお持ちの時に限り有効」という注意書きがこのプランならではという感じがします。でも、「北近畿の味覚『香住ガニ』」という券名はヘンです。

 Aは片道約3時間の列車旅に文句も言わず、テーブル一杯のカニ料理に舌鼓を打ち、土産に焼鯖寿司を持ち帰り、帰りに立ち寄った城崎温泉をいたく気に入って相当満足したようでした。駅プランは香住ガニ以外にもいろいろあることを知り、最寄駅でパンフレットを貰って帰ると言っていました。そんな彼の姿を見て私は心の中で思いました。「次からは自分でやってね」と。

 鉄ヲタ的には餘部鉄橋にも寄りたかったんですが、きっぷを往復ゲットできた上にキハ58系の臨時快速「あまるべマリン」号と久しぶりに特急「はまかぜ」号に乗れたのでまぁよしとします。