続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ。そろそろ15周年。

風っこ遠征記16

風っこうとう

◆種別:快速

区間塩尻~岡谷(辰野経由)

 今年10月から年末まで開催されている「信州ディスティネーションキャンペーン」(信州DC)に伴って、JR東日本長野支社管内で様々な列車が運転されています。長野県はJR東海(とJR西日本のごく一部)の路線も走っているんですが、同社管内は不思議と何もありません。

I0498 

 11月20・21日に運転された快速「風っこうとう」号もそのうちの一つです。塩尻~岡谷間を旧線の辰野経由で運転されました。この区間は善知鳥(うとう)峠という峠があり、列車名もそこから由来しています。「風っこ」がこの区間を走るのは初めてだったので、紅葉見物がてら乗りに行くことにしました。指定は1ヶ月前の発売日の昼過ぎに買いに行って簡単に窓側が取れました。もし、人気がなかったとしたら乗車時間の短さが嫌われたのかもしれません。

Kazeutou KazeutouHM

 当日の車内は7~8割がた埋まっていました。寒さ対策のため窓がはめられての運転でした。また、峠越えをする割に機関車による牽引ではなく、「風っこ」単体でした。これまで「風っこ」が急勾配区間を走るときは機関車牽引であったり、控車扱いで別の気動車を増結したりしていました。私が過去に乗っただけでも、DD16牽引だった快速「風っこ八ヶ岳高原」や高出力のキハ58系とペアを組んだ快速「風っこ仙山もみじ」がそうでした。果たして大丈夫かな…と一抹の不安が頭をよぎりました。

 塩尻駅を発車してすぐに上り坂に差し掛かりました。遠ざかっていく平野を見て結構急な坂であることはわかりました。走り始めてから10分もしないうちに上り坂を登るスピードがだんだん遅くなり、やがて完全に止まりました。最初は景色が見やすいようサービスで停車させてくれているのかと思いましたが、それにしては停止位置が中途半端な上に停車時間が長く、また何のアナウンスもありませんでした。

Kuuten (トンネル半ばで最初の停車)

 車輪が空転して坂を登れないというアナウンスがあったのは停車してしばらく経ってからでした。当初は「風っこ」の非力さが原因で坂を登れないのかと思ったんですが、どうやら線路に積もった落ち葉を車輪が踏むことによって動力が線路に伝わらずに滑って車輪が空転するようです。ちょうど秋が終わりつつある落ち葉が多い時期です。対策として乗務員が線路に下りて線路に砂を撒いていました。凍結した道路に砂を撒くのと一緒で、滑り止めの役割なんだと思われます。

Sunamaki (線路に砂を撒く乗務員)

 結局10分ちょっと止まってそろりそろりと運転を再開しました。ところがまた5分ほどで再び空転して止まりました。その後は運転再開→力なく進んでまた止まる→線路に砂を撒く→運転再開→また止まるの繰り返しでした。その間、子供はグズり出し、1号車にいたばあさんはキレ始め、ヲタは所在なげに車内をウロウロするといった状況でした。それが7回繰り返され、遅れが優に1時間を超えた頃に車内アナウンスが流れました。

 気動車の駆動輪に荷重をかけて空転を防ぐべく、1号車の乗客は前寄りに、2号車の乗客は後寄りに移動するよう要請がありました。長らく鉄ヲタやってますが、乗客に協力要請があったのは初めてです。思わず笑ってしまいました。それに対してゴネるような人はおらず、みな協力的でした。私は2号車だったので、後ろ寄りに移動しました。1両に30人乗客がいて一人65Kgだとしても、前後の駆動輪にそれぞれ2t弱の荷重がかかったことになります。

 乗客が移動し終わってから運転を再開しました。そうしたところこれまでとは違う力強さで動き始め、ゆっくりながらも着実に坂を上り始めました。乗客には上り坂が続く善知鳥トンネルまではそのままでいるように再度要請がありました。乗客が移動していた車内はこんな様子↓でした。

Kazeutou_inside (クリックすると拡大します)

 善知鳥トンネルを抜けてからは列車は下り坂に差し掛かり、それぞれ自席に戻りました。結局、次の停車駅の辰野駅には1時間20分遅れで到着し、終点の岡谷駅にもほぼそのままの遅れ時間で到着しました。岡谷駅で降りる際に駅の方からお詫びにタオルをいただきました。思いのほか長いこと乗車できた上に、面白い経験をさせてもらったと思っているので、別にお詫びされないでもいいんですが、この列車を企画した人に一つだけ質問をしたいです。

ちゃんと試運転やった?

 ちなみにこの翌日も懲りずに運転されましたが、空転を起こした往路は長野総合車両所から急遽動員されたディーゼル機関車(DD16)が「風っこ」を牽引し、めでたく所定ダイヤどおりに運転されたそうです。

 列車の写真は中央線・塩尻駅で撮影したものです。