昨年8月31日にJR東日本とJR東海の両社連名で衝撃的なプレスリリースが出ました。
今年春をめどにえきねっと予約のきっぷをJR東海管内の主な駅の指定席券売機で、「EXサービス」(EX予約+スマートEX)のきっぷをJR東日本東京都区内・横浜市内各駅と小田原・熱海駅の指定席券売機で受け取れるようにするという内容でした。
プレスリリース時点でのJRグループのネット予約の会社間の受け取り可否を表形式にまとめました。年月の入っているものは受け取り可能になった時期を記載しています。
えきねっと (JR東) |
EXサービス (JR海・西) |
e5489 (JR西) |
九州ネット予約 (JR九) |
|
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JR北海道 | 2015年3月 | ✕ | ✕ | ✕ |
JR東日本 | 開始当初 | ✕ | 2014年3月 | ✕ |
JR東海 | ✕ | 開始当初 | 2019年4月 | ✕ |
JR西日本 | 2014年3月 | 2006年8月 | 開始当初 | 2011年3月 |
JR四国 | ✕ | ✕ | 2008年ごろ? | ✕ |
JR九州 | ✕ | ※ | 2011年3月 | 開始当初 |
※:今年6月25日にサービス開始予定
2011年3月は九州新幹線博多開業、2014年3月は北陸新幹線金沢開業、2015年3月は北海道新幹線開業と、新幹線の延伸を契機に列車だけでなくネット予約の相互乗り入れも進んでいきました。今年の春に対応されるのはピンクに網掛けした部分です。
「EXサービス」は東海道・山陽新幹線の予約に特化したシステムなので、利用の際には新幹線の駅まで出向くことになり、そこできっぷの受け取りはできます。それに交通系ICカードでチケットレスで利用できる「スマートEX」サービスが導入されているので、JR東日本の駅できっぷが受け取れないでも不便は限定的です。
逆にえきねっと予約は広く日本全国の列車に対応してしまっているので、仮に名古屋や大阪の特急列車を予約して、現地で受け取ろうとしてもできません。この場合、事前に受け取っておく必要がありますが、乗車直前でもネットで予約を変更できるというネット予約のメリットは捨てることになります。
これまでえきねっと予約のきっぷをJR東海管内の駅でも受け取りたいという要望や苦情が相当数あったんだと思います。でも、国鉄が分割民営化されて35年が経ち、会社間の独自志向が高まる中、あのJR東日本と東海がネット予約を相互受け取りできるようにするなんてまずないと思っていたので、衝撃的なリリースでした。
先に実施されたのはえきねっと予約のJR東海管内での受け取りでした。4月1日からJR東海管内すべての指定席券売機(「サポート付き券売機」を含む)でえきねっと予約の受け取りができるようになりました。きっぷうりば(≒みどりの窓口)ではできません。
今のところJR西日本管内でえきねっと予約の受け取りができる駅は北陸の主要10駅に限られますが、JR東海の指定席券売機で受け取れるようになった副産物として、関西の米原・京都・新大阪駅でも受け取れるようになっています。
と言うわけで、さっそくJR東海の駅でえきねっと予約のきっぷを受け取ってきました(それにしてもすんごいところに穴をあけるもんだなと驚きました)。東京駅なので区別は付きにくいですが、東京駅でも発売箇所の端末番号が700~900番台であればJR東海の駅の端末です。きっぷの様式はJR東日本管内で受け取るものと特に変わりません。
私が受け取ったのはサービスを開始して2日目だったので、券売機の外観は以前と何も変わっておらず、この端末でえきねっと予約の受け取りができるかは分かりません。外観でも分かるようにしてもらえると親切だと思います。
なお、JR東海管内でえきねっと予約の受け取りをする場合、一行程上の予約の中に以下の内容が含まれると受け取れないという制限があります。
- 新幹線eチケットサービス
- えきねっとチケットレスサービス
- トクだ値(乗車券付き・料金券のみとも)
- 株主優待割引
- 大人の休日俱楽部割引
- 「えきねっと」で取り扱うトクトクきっぷ
- 経路内にしなの鉄道・東武・富士急が含まれるもの
上の5つはJR東日本独自の制度で、えきねっとで取り扱うトクトクきっぷは「週末パス」と「北海道フリーパス」を除き大人の休日俱楽部関連です。しなの鉄道・東武・富士急はJR東海と連絡運輸がないからでしょう。
鉄ヲタ的にはこの制限は理解できるものですが、一般人がこれらの条件を押さえておいた上で利用しなきゃいけないというのはなかなかハードルが高いです。無用なトラブルを避けるには列車ごとに特急券だけを分けて買うのがいいのかもしれません。
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