おとなびパス
昨年暮れからJR西日本が「おとなび」という50歳以上向けの会員組織を立ち上げました。会員になることによって運賃や特急料金の優遇を受けたり、会員専用の割引きっぷを購入できたりします。JR東日本には既に「大人の休日倶楽部」という同様の組織があり、正直「また中高年優遇か」という辟易とした感はあります。
せっかくなので、両社のエントリー会員向け(男女50歳~ジパング倶楽部入会資格前まで)の条件で比較してみます。
おとなび (JR西日本) |
大人の休日俱楽部 (JR東日本) |
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会員登録 | J-WESTネットのみ | 書面による カード申込と同時 |
優待 | JR西日本が30%引き | JR東日本・JR北海道が 5%引き |
距離条件 | 特急券込みで101Km以上 | 片道・往復・連続で 201Km以上 |
年会費 | 不要 | 2,575円 (カード年会費515円含む) |
パッと見で「おとなび」の方が優待条件がいいように見えますが、会員登録もJ-WESTネット経由で、割引が適用される条件もインターネット予約のe5489で完結しなければならないので、中高年にとっては若干敷居が高く見えます。その辺は子世代がアシストしてあげればいいのかもしれませんが…。
ちなみに「大人の休日倶楽部」はジパング倶楽部の対象年齢(男性:65歳、女性:60歳)に達すると、「大人の休日倶楽部ジパング」に移行となり、年会費や割引条件(5%から30%にアップ!)が変わってきます。
「おとなび」会員限定で1月~3月の期間限定商品としてJR西日本全線と智頭急行が3日間フリーになる「おとなびパス」が発売されました。普通車用が16,000円で、グリーン車用が20,000円で指定が4回まで利用できました。
このきっぷはe5489ではなく、駅・旅行センターの窓口での発売でした。「おとなび」には会員証に相当するものが発行されないので、J-WESTネットの「WEB会員証」という画面をプリントアウトして購入時に呈示する必要がありました。また、使用中も「WEB会員証」の所持が必要でした。
上の画像は嫁の両親が使用した現物です。当初は「ジパング倶楽部」を使用する予定でしたが、「のぞみ」が割引にならない上に、経路も若干トリッキーだったので、発売されたばかりの「おとなびパス」にしました。
比較の対象としては6年前に発売された「西日本パス」になろうかと思います。発売当初の「西日本パス」はJR西日本に加えてJR四国全線とJR九州の久大線以北が利用できて2日間で12,000円というとんでもない破格値でした。それよりフリーエリアは狭いですが、1日当たり6,000円しないのであれば「おとなびパス」も破格値に近い安さです。
結果的には安く旅行ができて結構だったんですが、現役世代で優遇されない世代から見ると、こういう極端な中高年優遇は複雑でもあります。