続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

南予観光きっぷ

 「南予観光きっぷ」は松山~宇和島間の特急列車自由席が1日1,000円でフリーで利用できたきっぷで、昨年の11月〜12月の土休日に発売されました。昨年7月の西日本豪雨で甚大な被害を受けた南予地域の復興に向け、観光客を誘致するという目的で、愛媛県・JR四国・日本旅行・道後温泉旅館協同組合の四者が連携して企画されました。

 発売条件は以下の通りでした。 

  • 11月17日~12月16日の土日祝の発売 
  • 日本旅行の京阪神中四国発で松山市内に宿泊するパックで限定で事前申込可
  • 道後温泉旅館協同組合加盟の宿泊施設の宿泊客は各日先着5名まで申込可
  • 1日あたり限定50枚発売。ただし、上記日本旅行のパックや道後温泉の宿泊客の申込があった場合はその分を割り当て枚数から差し引く。
  • 残りのJR割り当て分は当日朝7時から松山駅のみで発売。

 という具合にこれでもかと言わんばかりのきっつい条件付で、買う側の気合いを試すかのようなきっぷでした。

 この破格の値段と愛媛県が企画段階で入っていることからすると、おそらく補助金が投入されていると思います。補助金は当然予算が決まっていますから、発売枚数は厳格に管理したんだと思います。


 …と言うわけで、このきっぷを買うために大阪出張から直行で前夜に松山入りし、当日5時過ぎに起きて5:45ごろ松山駅に到着しました。松山駅を朝一番に発車する列車は5:05発の「しおかぜ4号」です。駅が開くのも5時前ぐらいですから、並べるようになって1時間後であれば買えるのではないかと踏みました。

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早朝の松山駅 2018/12/8

 私が松山駅に到着した時に先客は2人でした。これで買えるのは確定しました。底冷えする中、缶コーヒーを片手に7時の発売開始を待ちました。6時前でも始発列車が出発済みで、各地からの夜行バスも到着していたので、駅は賑わっていました。その後徐々に人が集まり始め、6:40ごろには50人に達していました。1人で複数枚の購入もできたので、6:30ぐらいがボーダーラインだったと思います。

 7時の発売開始は区切りのいいところで決めたんでしょうが、6:48の宇和島行「宇和海3号」が発車したら次の「宇和海5号」は8:09なので、7時は中途半端な時間でした。利用者がきっぷを買った後のことは考慮しなかったんでしょう。

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発売開始2分後の様子 2018/12/8

 6:55ごろにJRの係員が現れて、7時ちょうどに発売を開始しました。1枚1,000円とキリのいい金額だったので、つり銭が出ることなくみるみるうちに列が捌けていき、2分後には完売していました。

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 そこまでして入手した「南予観光きっぷ」です。1日50枚でトータルでも11日分550枚しか発売しないきっぷなので、常備券を期待しましたが、普通のマルス券でした。券面記載の通り内子廻りも伊予長浜廻りも両方利用できます。ソコソコ長い年数きっぷヲタをやっていますが、枚数限定のトクトクきっぷを買うために早朝から並んだのは「謝恩フリーきっぷ」以来のことです。

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伊予灘ものがたり大洲編:予讃線・下灘駅 2018/12/8

 このきっぷを使って「伊予灘ものがたり大洲編」で外国人団体客に包囲されながら伊予灘の景色を満喫し、きっぷヲタの聖地である予土線・近永駅で散財し、宇和島名物「ひぶりめし」を楽しみ、伊予市駅で冬シーズンの「青春18きっぷ」を仕入れ、限られた1日の中で沿線を満喫してきました。

 そろそろ西日本豪雨から1年が経とうとしています。このきっぷを使った時にはまだ屋根にブルーシートがかかった家が見られました。果たして今はどうなんでしょうかね。