続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ。そろそろ15周年。

ガチきっぷ

 2015(平成27)年8月より主に学休期間にJR九州では「ガチきっぷ」という大学生を中心とした世代(18歳~24歳)向けに乗車券+特急券がセットになった割引きっぷを発売しています。「ガチ」という俗語をきっぷの名称に組み込んでしまうあたりが、JR九州らしいです。

 JR九州のこの世代向けの割引と言えば、かつて存在した「ナイスゴーイングカード」(以下「NGC」)を思い出します。16歳~29歳の人に対して年会費500円でクレジット機能のないカード(会員証)が発行され、金土日祝日利用でJR九州管内の運賃・特急料金・グリーン料金が4割引(九州新幹線は3割引)になるという大盤振る舞いでした。残念ながら、九州新幹線全線開業を目前にした2011(平成23)年1月末で募集停止しています。

  NGCは区間を任意で選べて割引率は一律でしたが、「ガチきっぷ」は以下の8区間のみの発売で割引率は区間によってまちまちです。それに自由席しか利用できません。最新の設定は以下のようになっています。

  ガチきっぷ  正規料金   割引率  (参考)
2枚きっぷ
福岡市内~長崎  2,550円 4,270円 40.3% 3,150円
福岡市内~佐世保  2,040円 3,420円 40.3% 2,350円
福岡市内~別府・大分  2,550円 5,150円 50.5% 3,150円
福岡市内~鹿児島中央  7,850円 10,110円 22.4% 9,630円
博多~熊本  2,620円 4,700円 44.3% 3,800円
熊本~鹿児島中央  6,000円 6,540円 8.3% なし
北九州市内~熊本  3,880円 6,790円 42.3% 4,920円
北九州市内~鹿児島中央  9,110円 11,510円 20.9% 10,480円

※北九州市内発着の北九州市内~博多間は在来線経由。「2枚きっぷ」の料金の青字は指定席用、黒字は自由席用。

 割引率は高速バスに対して新幹線の優位性が発揮できる鹿児島中央発着はかなり渋いです。それ以外はだいたい40~50%でNGCと同等かそれ以上で、「2枚きっぷ」と比べてもまぁまぁ安く、ネット予約の早割と同程度です。

 この設定を見て最初に思ったのは、とにかく福岡偏重だなと。福岡は九州内の他県と比べてにこの年代が圧倒的に多いのは確かですが、佐賀や宮崎にだっています。せっかく「2枚きっぷ」とは別に特に若い世代をターゲットして発売するんですから、せめて「2枚きっぷ」と同程度以上に設定区間は増やすべきです。

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 こちらが現物です。「2枚きっぷ」とそっくりな様式で、どちら向きに使用してもいいようです。窓口販売のみなので、購入時に年齢を確認できるものを呈示しているはずですが、券面にも「年齢証明書類を携帯下さい」と太字で印字されています。18歳~24歳向けの発売なので、もちろん私が使ったものではなく、フォロワーさんからのいただきものです。


 JR各社は高齢者向けの割引を充実させる反面、若者向けの割引はなくなっています。今の高齢者は金と時間の余裕があるばかりでなく、若いころに鉄道旅行に慣れ親しんだ世代です。そういう人たちは鉄道を念頭に入れて利用してくれますが、今の若い世代は高速バスだってLCCだって使いますし、速さは中途半端で大して安くもない鉄道には魅力を感じていない人も多く、選択肢にすら入らない場合もあると思います。

 私個人的には今の高齢者たちが墓場に行ってから青ざめないためにも、先が見えている高齢者を優遇するよりも、いずれ消費の中心となる若い世代をもう少し優遇し、今のうちから鉄道にも目を向けてもらうことを考えた方がいいと思います。

 「ガチきっぷ」はNGCのようなフレキシブルさはありませんが、若い世代の利用促進を考慮している点では評価ができると思います。