「アミュプラザ」とはJR九州のグループ会社が管内の主要駅で運営する駅ナカ施設です。佐賀駅以外の県庁所在地駅と小倉駅にあります。
そのうち、熊本駅の「アミュプラザくまもと」は白川口(東口)に昨年4月23日に開業しました。かつて豊肥線が発着した0番A・B乗り場があったあたりで、高架化で空いた土地を利用しています。
開業から間もないタイミングでちょうど熊本を訪れたので、待ち時間の間に寄ってみました。中身は既存のアミュプラザと変わりなく、また博多駅のミニチュアが量産されたなという印象でした。
開業から100日経った7月31日からは土休日利用で熊本近辺の主要駅から熊本駅までの往復乗車券とアミュプラザくまもとの500円のショッピングチケット引換券が付いた「アミュプラザくまもとお買い物きっぷ」を発売していました。乗車券とショッピングチケットは当日限り有効でした。
JR九州はこういった往復乗車券と駅ナカ施設で利用できる金券がセットになったきっぷを積極的に発売しています。鹿児島や宮崎のアミュプラザが開業した際も期間限定で同様のきっぷが発売されました。
設定があったのは以下の5駅で、窓口のみでの発売でした。当初は9月末まで発売の予定でしたが、12月末まで延長されました。
発駅 | 往復運賃 | ショッピング チケット |
お買い物きっぷ 発売額 |
実質運賃 |
---|---|---|---|---|
玉名 | 1,140円 | 500円 | 1,140円 | 640円 |
新八代 | 1,320円 | 1,320円 | 820円 | |
八代 | 1,520円 | 1,520円 | 1,020円 | |
光の森 | 600円 | 600円 | 100円 | |
肥後大津 | 960円 | 960円 | 460円 |
見ての通り、「お買い物きっぷ」の発売額はいずれの発駅も往復運賃と同額です。往復運賃以上に安くなりませんが、往復乗車券を買ったら500円のオマケが付いてくるイメージです。
たまたま熊本滞在中にこのきっぷの存在を知ったので、光の森駅に寄って購入しました。発売額からショッピングチケット500円分を差し引いたら、実質の往復運賃は100円です。なので、マルス券とE-POS券を両方購入しました。有効期間と発売箇所以外の部分はまったく違いがありません。
マルス端末から発券されたショッピングチケット引換券です。この券とかえり券をインフォメーションに提示して500円のショッピングチケットを貰います。この券は回収されて手元にはありません。写真で撮ったものをうまいこと加工して載せています。
発売側にとってこういうきっぷのいいところは、500円のショッピングチケットが付くとして、500円だけ買い物して帰る人は稀で、普通はそれ以上の買い物してもらえることです。自社関連の駅ナカ施設を対象にすれば利益を囲い込むこともできますし、駅周辺のデパートや商店街も対象にすれば地域振興に貢献することもできます。
コロナ禍で鉄道部門が苦しいのであれば、駅ナカ施設の利用を促進するこういうきっぷは積極的に推進すべきだと思いますが、JR東海に少しあるもののJR他社ではほとんど見かけません。仮にJR東日本でルミネやエキュートで使えるこういうきっぷを出したらかなり売れると思うんですがね...。