続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

羽前小松

 米坂線・羽前小松駅は山形県南部の川西町にある駅です。開業は1926(大正15)年で当時の小松町の中心駅であるため羽前小松という駅名になりました。石川県の北陸線・小松駅が先に開業していたため、おそらくそれと区別するために旧国名の羽前が付いたんだと思われます。小松町は1955(昭和30)年に周辺の村と合併して現在の川西町となっています。

羽前小松駅 2021/12/30

 羽前小松駅は地元のNPO法人が受託する簡易委託駅です。簡易委託駅としての歴史は古く、国鉄時代の1982(昭和57)年に遡ります。国鉄の無人化計画を受けて、川西町が中心となって駅業務を受託する管理組合を設立し、国鉄からの委託料と町の補助を受けて簡易委託が始まりました。

 利用者減少により委託料が減少し町の持ち出しが増えたため、2010年に管理組合が解散し現在のNPO法人が駅業務を受託しています。NPO法人は駅業務以外に駅を拠点とした地域住民によるまちづくりを推進する役目もあるそうです。また、農産品やグッズの物販もやっていて委託料や補助金以外の収入源も確保しているようでした。

POS入場券と料補

 羽前小松駅には自動券売機はなく(以前はあったようですが撤去されたそうです)、POS端末で乗車券類を発売します。料補による指定券類の取り扱いもあったので、久しぶりに購入しました。「しおさい」なんて千葉の列車にはなじみがなかったかもしれませんが、発券はスムーズでした。

 営業時間は平日7:45~19:00、土休日は8:45~16:30で、毎月第2・4日曜日と正月三が日は休みです(2021年末現在)。

羽前小松駅窓口 2021/12/30

 駅事務室はNPO法人のオフィスも兼ねていて、私が訪ねた日も4~5人がパソコンに向かって働いていました。簡易委託駅は自治体がJR職員のOBに委託していたり、個人では高齢者夫婦で受託していたりして受託者の高齢化が目立ちますが、ここは現役世代の人が働いていました。簡易委託駅の存続は受託者の健康問題にも左右されがちですが、そういう意味ではここはまず大丈夫だろうなと感じました。

羽前小松駅に進入する普通列車 2021/12/30

 なお、羽前小松駅には駅猫の「ショコラ」がいますが、私が訪ねた2日前が2021年の仕事納めだったそうで会えませんでした。休みの日はNPOの職員の家で過ごしているそうです。今度行く機会があったら会ってみたいです。