十文字駅簡易委託化
奥羽線・十文字駅は秋田県横手市にあります。もともと十文字町の中心駅で特急列車の停車もあった駅でした。2005(平成17)年10月に合併により横手市の一部となっています。
駅舎はコンクリート造りの平屋で地方の拠点駅にありがちな雰囲気です。2013(平成25)年の秋田デスティネーションキャンペーンに合わせて増田の蔵をイメージしたデザインにリニューアルされています。増田とは十文字駅からバスで10分ほどの旧増田町のことで、伝統的な街並みが保存されています。
一昨年訪れていた十文字駅の窓口周りの様子です。あたかも有人窓口があるように見えますがこれはダミーで、みどりの窓口は2014(平成26)年7月に閉鎖されています。十文字駅から召し上げられたマルス端末は湯沢駅に移設され、代わりに湯沢駅の指定席券売機が十文字駅に移設されるという近隣駅間で端末のトレードが行われました。そのため、指定席券売機は設置されていました。
A駅→B駅という一方通行の端末の移設はたまに見られますが、A駅→B駅とB駅→A駅の移設をほぼ同時にやった事例は珍しいと思います。
この当時の湯沢駅には「Kaeruくん」撤去後の代替として指定席券売機が設置されているだけでみどりの窓口はありませんした。このトレードにより「Kaeruくん」設置駅でみどりの窓口が復活した初の事例となりました(そんな湯沢駅も昨年2月末でみどりの窓口が閉鎖されてしまいましたが)。
湯沢駅からトレードされた当時は感熱タイプのMV35型でしたが、2019年12月にMV50型に置き換えられています。
十文字駅は先のダイヤ改正までは業務委託駅でしたが、業務委託を終了し無人化されました。それに伴って指定席券売機と近距離の自動券売機が撤去されました。券売機終了のお知らせには以下のような記載がありました。
2023年3月18日から、横手市によるきっぷの発売窓口を予定しております。
ご理解を賜りたくよろしくお願いいたします。
ダイヤ改正以降は横手市受託による簡易委託に移行し窓口できっぷを発売しているようです。ダミーと化していた窓口が復活したと思われます。POS端末が入ったらしいとは聞いていますが、私自身はまだ確認できていません。
昨年12月15日の秋田魁新報の記事や横手市議会の議事録によると、昨年夏の時点でJR東日本から横手市に対し今年3月のダイヤ改正での十文字駅の無人化の通告があったそうで、住民の利便性を考慮して横手市で無人化回避のための簡易委託化に向けた予算措置を行っていました。そのため、業務委託要員の撤収から横手市による簡易委託開始まで間隔が開くことなく移行できたのでしょう。
以前から増田の街並みにはちょっと興味があったんですが未だに行けていません。増田に行くついでに確認も含めて十文字駅の様子を見に行けたらと思っています。