続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

北千住駅みどりの窓口臨時化

 常磐線・北千住駅のみどりの窓口が今年1月末で通年営業を終了し、「話せる指定席券売機」に置き換えられました。北千住駅のコロナ禍前の2019年度の一日の乗車人員は約222,000人でJR東日本では10位に位置します。これは名古屋駅(215,000人)や京都駅(195,000人)より少し多く、札幌駅(98,000人)の倍以上という数字です(いずれもJRのみの数字)

北千住駅のみどりの窓口営業終了のお知らせ 2022/4/6

 北千住駅は定期外利用客の割合が少なく(58,000人)、優等列車の発着もないため、みどりの窓口の利用客は乗車人員の割に多くなかったのかもしれませんが、常磐線の東京都区内の4駅(三河島・南千住・亀有・金町)の既にみどりの窓口は閉鎖済みで、北千住駅がその代替を担っていたのに、通年営業を終了してしまうのは驚きでしかありませんでした。

 しかし、「通年営業を終了」と書いた通り、閉鎖されたわけではありません。「臨時化」という手法を採ります。これはJR東日本では昨年3月に京浜東北線・川口駅で始まったやり方で、通常時は窓口を開けないけれど、「話せる指定席券売機」だけでは捌ききれない繁忙期や対応できない案件が来た場合は臨時で窓口を開けるという折衷案です。現時点では川口駅の他に武蔵野線・南越谷駅でも実施され、今後も何駅かで導入予定です。

 既に臨時化された3駅に共通しているのはみどりの窓口の利用客がソコソコ多く、通年営業終了前は2窓あったことです。結局のところ、なまじ利用が多いからみどりの窓口の完全閉鎖はさすがにしない(できない)けれど、人件費やマルス端末のコストは何としてでも削りたいというジレンマの末に考え出された臨時化だったのでしょう。利用客のことよりも社内事情が優先されるJR東日本という会社の体質がよく表れていると思います。


 私がみどりの窓口閉鎖後に最初に北千住駅を訪ねたのは4月6日でした。3月31日から4月10日にかけて年度初めの定期券購入客に対応するため、臨時でみどりの窓口を開けているという情報が流れてきたので、仕事帰りに行ってみました。

北千住駅みどりの窓口ブース 2022/4/6

 北千住駅北口のみどりの窓口のブース内に「話せる指定席券売機」が2台設置され、みどりの窓口が1窓残っています。年度初めで定期券購入客が多かったためブース内に案内の係員が4名もいて、申込書に必要事項を書かせて「話せる指定席券売機」へ誘導していました。そこに人員を割くなら常時1窓開けておいた方がよっぽどいいと思うんですけどね。

 私も係員にすぐにロックオンされ用件を聞かれて「話せる指定席券売機」に並ばされたんですが、対応不可な案件を仕込んでおいたので、オペレーター対応後にみどりの窓口へ誘導されました。係員に用件を聞かれた段階で「話せる指定席券売機」を経由せず直接みどりの窓口に誘導して欲しかったところですが…。

北千住駅F2発行

 対応不可な案件を処理してもらったついでに発券してもらった乗車券です。窓口は1つしかありませんが、発売箇所表記は「北千住駅F2」となっています。臨時化の際に「F1」がなくなったようです。

話せる指定席券売機(横浜線・菊名駅) 2022/4/24

 「話せる指定席券売機」でたいていのことはできますが、非対面ゆえ確認事項が増えるためどうしても窓口より時間がかかり、利用客にとっては面倒です。それに、年寄りや不慣れな人にいきなりあれを使いこなせというのは正直酷だと思います。ネット予約やチケットレスシステムも同様です。

 旅行前にきっぷを買うだけで長く待たされたり、面倒なことさせられたり、難解な仕組みを使わざるを得ないと、「もう新幹線はいろいろめんどくさいから車(や飛行機)で行くか」という風に鉄道の利用を忌避することになりかねません。JR東日本に限らず駅の窓口は利用客と鉄道会社の重要な接点だと思うですが、短期的な採算を重視しそういう接点をどんどん潰して利用客を遠ざけていくのは、長期的に見て大丈夫なのかな?というのが一鉄ヲタとして心配です。