JR西日本は9月2日の「在来線特急料金の一部見直しについて」というプレスリリースの中で、在来線特急料金の値上げと乗継割引縮小について発表しています。乗継割引縮小については少し前の記事で取り上げましたので、今回は在来線で特に博多南線の特急料金の値上げについて取り上げます。
博多南線は1990(平成2)年に博多駅と博多総合車両所を結ぶ回送線を旅客化する形で開業しました。なので、新幹線車両で運行される在来線という特殊な形態になっています。
博多総合車両所のある福岡県那珂川町(現:那珂川市)は交通の便が悪く博多駅までバスで1時間かかっていました。そのため、国鉄時代から回送線の旅客化を要望していて、紆余曲折を経てJRになってからようやく実現したものです。
博多南線が開業してからは博多駅まで10分で結ばれ、利便性が大幅に向上しました。駅周辺の宅地開発が進んで人口が増え、2018(平成30)年には那珂川町が単独で市制施行し那珂川市となりました。
博多南線の列車は全て列車名のない特急列車で、運行距離はわずか8.5Kmで、駅周辺の那珂川市や春日市からの通勤・通学客を想定しているため、特定特急料金は100円と非常に割安に設定されています。
100円で新幹線車両に乗れるという気軽さもあって、福岡滞在中にちょっと気が向いたらよく乗りに行きます。きっぷもこうしていろいろと違う端末で集めたりもします。券名はすべて「特定特急券」になっています。
この100円の特定特急券が来年4月1日購入分から130円に値上げされます。通勤定期券も1ヶ月7〜800円程度値上げされますが、通学定期券は据え置かれます。3割の値上げと言うとびっくりですが、額にすれば30円なので微々たるものです。むしろ3度の消費税増税にも負けず、30年以上まったく値上げされなかったのが異例中の異例だったと言っていいのかもしれません。
まぁ100円が130円になってもまた気軽に乗りに行くでしょうね。