続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

窓口閉鎖駅めぐり@朝霧

 山陽(JR神戸)線・朝霧駅のみどりの窓口が昨年9月30日で閉鎖され、「みどりの券売機プラス」が設置されました。朝霧駅は神戸市との境に近い兵庫県明石市にあり、普通列車のみが停車する駅です。コロナ禍前の2019年度の1日当たりの乗車人員は15,473人で、神戸市内の西側の鷹取~塩屋間の各駅よりは多い数字になっています。

 当時の神戸支社管内では同じタイミングで灘駅もみどりの窓口が閉鎖されています。「みどりの券売機プラス」の稼働は灘駅が閉鎖翌日の10月1日からだったのに対し、朝霧駅はなぜか閉鎖に先立って9月26日から稼働しました。

朝霧駅みどりの窓口 2022/9/17

 私が昨年の閉鎖直前に訪ねた時にはオペレーター対応機能のない普通のみどりの券売機が設置されていました。この直後に置き換えられたと思われます。

2013~2022年

 朝霧駅は9年ぶりに降り立ちましたが、9年前と端末は変わっておらず発売箇所表記は「朝霧駅F1」でした。2013(平成25)年時点でMR52型が入っており、JR西日本におけるMR52型の導入時期としては早い方です。この当時MR12W型が各地でバリバリ現役で、ちょうど置き換えが本格化した頃でした。

 ついでに隣のみどりの券売機でも特急券を発券してみました。発売箇所表記は「朝霧駅MK51」でした。この表記は「みどりの券売機プラス」に置き換えられてからも変わっていないようです。


 実は朝霧駅は2004(平成16)年3月にみどりの窓口が閉鎖されたものの、翌年4月に再開されたという珍しい過去があります。みどりの窓口を閉鎖し、みどりの券売機で代替するという2004年当時では斬新で、今では全然珍しくないことが実施されました。

 しかし、当時はみどりの券売機でできることが今よりだいぶ限られていた上に、ネット予約はまだありませんでした。また、オペレーター機能のないみどりの券売機では紙の証明書を必要とする取り扱いや通学定期券の新規発売には対応できないので、利用客からはかなり不評だったようです。

 利用客の不満が無視できないほど高まった上に、真偽は不明ですがとある国政政党の地方組織が介入に動いたという話もあり、わずか1年後にはみどりの窓口を復活させる羽目になりました。JR西日本にとってはこの失敗は結構なトラウマだったようで、管内のみどりの窓口の閉鎖は2010年まで実施されませんでした。

 2010年1月に甲南山手・須磨駅のみどりの窓口を閉鎖した際には、朝霧駅での反省を生かして(?)MV30型の指定席券売機にオペレーター対応機能を付加した「みどりの券売機プラス」を導入しています。

 朝霧駅は窓口業務省力化のモデルケースとして頓挫した過去があったものの、頓挫の日から17年半を経てついにみどりの窓口が閉鎖されました。