続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

首都圏エリア連絡乗車券発売縮小

 ダイヤ改正前日の3月17日でJR東日本と首都圏の私鉄(社線)との普通連絡運輸(ここでは片道乗車券の連絡運輸を対象とします)が一部区間を除いて終了することになりました。交通系ICカードは従来どおり利用できるので、影響はきっぷに限った話です

 JR東日本のHPのかなり分かりにくいところに各種運送約款の改正履歴が掲載されています。

www.jreast.co.jp

 そこに2月13日付で「東日本旅客鉄道株式会社旅客連絡運輸規則の一部改正(2023年3月18日から施行)」というものが出ています。これが連絡運輸の範囲を定めた規則の改正部分です。

「東日本旅客鉄道株式会社旅客連絡運輸規則」の改訂部分の一部

 こちらがその1ページ目です。改正対象の会社は分かるものの、どこがどう変わったのかがまったく分かりません。開示することが無意味とまでは言いませんが、詳細を開示する気はなさそうです。

 また、駅の掲示には連絡運輸終了の対象から除外されるのは以下に該当する区間という記載がありました。

  • 連絡乗車券に乗継割引のある区間
  • 直通運転を行っている区間

 連絡運輸規則に改正対象の社線として挙がっていて、上記2つのいずれかにも該当しない連絡運輸は全部ではないでしょうが、多くがなくなると見て良さそうです。

 まずは乗継割引の該当区間を洗い出してみます。

乗継割引のある区間

会社 社線側 接続駅 JR側
東京
メトロ
落合、高田馬場 中野 高円寺~三鷹
町屋、西日暮里 北千住 亀有、金町
北綾瀬 綾瀬 亀有
原木中山~行徳 西船橋 下総中山~津田沼、船橋法典
東急 池尻大橋、三軒茶屋、代官山、中目黒 渋谷 代々木~恵比寿
二子玉川~宮崎台 溝の口/武蔵溝ノ口 武蔵新城〜久地
青葉台~すずかけ台 長津田 十日市場、成瀬
田園調布~日吉、沼部 武蔵小杉 平間~武蔵新城
綱島~白楽 菊名 大口〜小机
反町~白楽 横浜 東神奈川~関内、保土ヶ谷
不動前~西小山 目黒 恵比寿~大崎
大崎広小路~荏原中延 五反田 恵比寿~品川
下神明~荏原町 大井町 品川、大森
矢口渡~下丸子、蓮沼~千鳥町 蒲田 大森
京王 神泉~東松原 渋谷 代々木~恵比寿
初台~笹塚 新宿 高田馬場~原宿、信濃町~東中野
井の頭公園~高井戸 吉祥寺 西荻窪、三鷹
多磨霊園~聖蹟桜ヶ丘、
府中競馬正門前
分倍河原 府中本町~谷保、北府中
小田急 南新宿~代々木上原 新宿 高田馬場~原宿、信濃町~東中野
成城学園前~読売ランド前 登戸 久地~中野島
西武 西武新宿~新井薬師前 高田馬場 池袋~新宿
椎名町、東長崎 池袋 巣鴨~高田馬場、板橋
新小金井、多磨 武蔵境 三鷹、東小金井
恋ヶ窪、鷹の台、一橋学園、青梅街道 国分寺 武蔵小金井、西国分寺
西武立川~玉川上水 拝島 昭島、牛浜、福生、熊川、東福生
東武 北池袋~中板橋 池袋 巣鴨~高田馬場、板橋
亀戸水神~曳舟 亀戸 両国~平井
新船橋、塚田 船橋 西船橋、東船橋
初石~増尾 南柏、北柏
北大宮~大和田 大宮 与野、さいたま新都心、
与野本町、北与野、土呂
京急 泉岳寺~鮫洲 品川 五反田~田町、大井町
六郷土手~花月総持寺、港町 八丁畷 尻手~浜川崎、川崎、矢向
子安~日ノ出町 横浜 東神奈川~関内、保土ヶ谷
相鉄 平沼橋~天王町 横浜 東神奈川~関内、保土ヶ谷

 調べてみたところ8社34駅で設定がありました。1つ2つ漏れがあるかもしれません。東急は10駅もあります。これらの連絡運輸は残ったとしても連絡乗車券は乗継割引適用範囲内での発売に縮小される可能性があるように思います。

 次に直通運転を行っている区間を洗い出してみます。

直通運転を行っている区間

会社 接続駅 直通する路線・列車
(社線~JR線)
東京メトロ 北千住 千代田線~常磐線
綾瀬 千代田線(支線)~常磐線
中野 東西線~中央線
西船橋 東西線~総武線
東京臨海高速鉄道 大崎 りんかい線~埼京線
東葉高速鉄道 西船橋・中野 東葉高速線~(メトロ)東西線~中央線
東武 栗橋 特急「日光」「スペーシアきぬがわ」等
相鉄 羽沢横浜国大 相鉄本線~横須賀線
鹿島臨海鉄道 鹿島サッカースタジアム 鹿島臨海線~鹿島線
伊豆急 伊東 特急「踊り子」「サフィール踊り子」
富士急 大月 特急「富士回遊」

 直通列車はこんなところでしょうか。直通運転を行っているところぐらいは残して然るべきでしょうし、東武直通特急は交通系ICカードでの利用ができないので、むしろ残してもらわないと困ります。

 また、個人的にはJRと社線が行き来できる連絡改札がある接続駅の連絡運輸は残り、逆に改札分離されてしまった接続駅は残しておく理由が弱いですから、これを機に整理されるような気がします。


 個人的になくなるのではないかと思う連絡運輸のきっぷを集めてみました。昔は連絡券を好んで集めていましたが、最近は興味が薄れてあまり集めていないので新しいものはありません。

箱根登山鉄道連絡・小田原接続

東武連絡・栃木接続

東武連絡・伊勢崎接続

 果たしてどうなるかは結果を待ちたいと思います。

 今や首都圏では交通系ICカード一枚あればほぼどこでも行けます。ただでさえ紙のきっぷの需要が減っている中で、さらに需要が少なく券売機の設定や窓口での発券の手間がかかる連絡乗車券が淘汰されることは一定仕方ないと思っています。しかし、以下の点で問題もあると思っています。

  • 第1種および第2種の身体障害者・知的障害者が一人で利用して運賃の割引を受けようとする場合、JR・社線の通算の営業キロ数100Km以上という条件が必要だが、連絡運輸の縮小によってその条件が厳しくなる。
  • JR・社線の通算の営業キロ数101Km以上あると経路上で途中下車ができる(JR線が東京近郊区間内完結の場合は除く)が、連絡運輸の縮小によってその条件が厳しくなる。

 2番目はヲタの願望なのでともかく、1番目については実際困る人も出てくるでしょうから、何とか手当てできないもんですかね?障害者の側から声が上がれば変わるような気もしますが。