続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

伊予灘ものがたり(特急)

伊予灘ものがたり

◆種別:特急

◆区間:松山~伊予大洲・八幡浜

 昨年4月より快速列車だった「伊予灘ものがたり」の車両をキハ47系からキハ185系に置き換えたうえで特急列車としました。種車のキハ47系は製造から43年経っていました。

 車両の老朽化によるリニューアルとともに、特急化による客単価のアップや温かい料理を出すことによるサービスの向上を意図したという旨が置き換え発表があった当時の日経新聞の記事に出ていました。

伊予灘ものがたり八幡浜編:予讃線・千丈~八幡浜間 2022/5/7

 内装はきれいになっていたとはいえキハ47系は普通列車用の車両なので、乗り心地は「それなり」です。それに冷房の効きが悪くて夏場に西日を浴びたときに猛烈に暑かった記憶もあります。客単価を上げた上でこれらが改善されるのであればいい判断だなと思いました。 

伊予灘ものがたり大洲編:松山駅 2023/3/21

伊予灘ものがたり道後編:予讃線・下灘駅 2022/5/7

 運転区間や列車名は変わりません。特急列車になったからと言ってスピードアップもしていません。編成は2両編成から3両編成になり、松山方の3号車は「陽華の章」(フィオーレスイート)という8人用のグリーン個室(利用は2人以上から)になっています。1・2号車は座席のグリーン車です。

新・伊予灘ものがたり海側席 2022/5/7

 1・2号車の定員はキハ47系時代の50席から変わっていませんが、カウンタースペースやギャレーを3号車に寄せたのでトイレや1人当たりのスペースは広くなったように思います。また、乗り心地やエアコンの効きも確実に良くなってますし、USBポートが付いてスマホの電源問題が解決したのもありがたいです。

「tabiwa by WESTER」のトップページ(web版)

 食事予約券はJR西日本の「JRおでかけネット」内の「tabiwa by WESTER」というサイトで乗車の4日前まで購入できるようになったのが大きな進歩です。WESTER会員登録が必要ですが、四国外からの食事予約券の購入に悩まされないで済むようになりました。

伊予灘ものがたり道後編の軽食 2022/5/7

 購入時に座席番号の入力が必要なので「伊予灘ものがたり」の指定が確保できていない場合の購入はできません。デジタルチケットになっていて利用時はアテンダントの前でスマホの画面を操作し使用済みにします。


 岡山・高松~宇和島間の特急列車を宇多津・坂出・多度津・松山のいずれかの駅で改札を出ずに乗り継いだ場合、特急料金・グリーン料金を通算する特例がありますが、「伊予灘ものがたり」利用時については特例の対象外となります。

伊予灘ものがたり大洲編の特急券

 快速列車時代はBグリーン料金980円だったものが、特急列車になって特急料金1,200円+Aグリーン料金1,500円(特定料金)に加え、9月30日までは繁忙期・最繁忙期の加算料金も必要となり2,700円~3,100円の範囲で変動します。10月1日以降は加算料金が不要となる代わりに通年2,900円になります。座席のグリーン席だけでも客単価で約2,000円、それが満席になると一列車あたり10万円の増収になっています。これは今のJR四国にとっては大きいです。

 特急化されても人気が落ちることはなく、相変わらず指定は取りにくいです。もともと発売前に団体枠でごっそり席を抜かれることが多く、JR各社でみどりの窓口の閉鎖が進んでいるため10時打ちするのが難しくなっている上に、特急化されてもe5489などのネット予約には対応していません。私は今年2月末でサービス終了した「Club J-WEST会員専用ダイヤル」で押さえました。

旅行プランで確保した特急券と食事予約券

 そんな中でJR四国の食事予約券付きの旅行プランだと確度は高いかもしれません。発売前から予約は受け付けてくれますし、指定が取れれば食事予約券の手配も一緒にできます。宿泊や四国全線が利用できるフリーきっぷが付いたプランもあります。

 こんな感じでまとめてみると、値上げ(=車両置き換え)前後でハード面はもちろんのこと、食事予約券の手配についても改善されていますし、ちゃんと中身の伴った値上げだったと感じます。沿線の景色やアテンダントによるサービスは相変わらず良いです。あとはe5489で指定が取れるようになるといいんですけどね。

高架化工事の進む松山駅に停車中の「伊予灘ものがたり」 2022/5/7

 松山駅は四国の県庁所在地駅の中で昔の雰囲気を色濃く残します。そんな松山駅でも高架化工事が行われ、ここ1~2年で駅の様子が目まぐるしく変わっています。キハ185系化された「伊予灘ものがたり」が松山駅の地上ホームを発着するのはごく短い期間になりそうなので、その様子も少しずつ記録しておきたいなと感じているところです。