根室線・富良野~新得間が来年3月末で廃止されることが決まりました。根室線・東鹿越~新得間は2016年の台風で被災し復旧しないまま廃止となります。意地悪な言い方をすれば、被災しても赤字を理由に復旧せず放置したJR北海道の粘り勝ちに見えます。
元名古屋市民として廃止予定区間内にとても気になる駅があります。金山駅です。名古屋にも金山駅があるからです。
根室線・金山駅は富良野市の隣の南富良野町にあります。駅の開業は1900(明治33)年で開業から120年以上経っています。
駅は南富良野町の中心部からは離れています。すぐそばに国道が通っていて近くには金山ダムと北海道有数の貯水量を誇るダム湖のかなやま湖があります。かなやま湖は散策路やオートキャンプ場などが整備され多くの利用客がいますが、本数的に列車で訪れた客はほとんどいないと思われます。人家はまばらで1日の乗車人員は2~3人だそうです。
駅舎の中はきれいに手入れされています。かつてきっぷを売っていたであろう窓口の跡は板で塞がれています。国鉄末期の1986(昭和61)年に完全無人化されたとのことです。自動券売機もないので、JR化されてから金山駅で発売された乗車券はおそらくなさそうです。
南富良野町中心部にある幾寅駅から金山駅までの乗車券です。運賃は310円でよもや名古屋の金山駅と混同する人はいないでしょうから、着駅に根室本線の(根)の路線記号は入らず「金山」とだけなっています。
マルス券だと全国共通の様式なのでこんな感じで(根)の路線記号が入って「(根)金山」となります。
一方、名古屋の金山駅と言えばJR東海道線・中央線・名鉄線・市営地下鉄の乗り入れ駅で金山総合駅とも呼ばれ名古屋の南の玄関口と言ってもいい存在です。JR駅は1962(昭和37)年に中央線・名古屋~鶴舞間の新駅として今より北の位置に開業しました。歴史は北海道の金山駅より60年以上新しいです
1989(平成元)年に東海道線の駅を併設するにあたって、今より南にあった名鉄の金山橋駅とともに地下鉄駅に近い現在地に移転し現在の総合駅となっています。そのタイミングで名鉄の駅名は金山橋から金山に改称されています。
私が中学生の頃にマルス券に触れるようになってから、名古屋の金山駅の表記が「(中)金山」になるのが不思議でした。別の金山駅が北海道にあるのを知ったのはしばらく後のことでした。
来年4月以降は中央線の金山駅が唯一の金山駅になるのでおそらく「(中)金山」はシンプルに「金山」となるはずです。今のうちに「(中)金山」関連のきっぷを集めておこうかなと思っています。