続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

JR北海道運賃値上げへ

 最近こんなニュースばかりですが、JR北海道が来年4月から運賃を値上げすることを発表しました。JR北海道の運賃値上げは2019年10月以来5年半ぶりになります。同時に定期券・入場券・北海道新幹線の飲食付きのグランクラス料金も値上げされますが、北海道新幹線・在来線ともに特急料金は据え置きです。

JR北海道の「運賃改定のお知らせ」(https://www.jrhokkaido.co.jp/fare/)より

 昨今の物価高や人件費の上昇はわれわれも身近で感ずるところではあるので、世間の値上げに対する忌避感は以前ほど強くないと思いますが、プレスリリースで「改定」とか「見直し」とか表現をボカすのは個人的に気に入らないです。値上げは動かしようのない事実なんですからはっきり「値上げ」と書いて欲しいです。

 幹線のみ記載していますが、値上げ後の運賃は以下の通りとなります。もともとJRグループで最も高い運賃水準でしたが、さらに突き抜けることになります。200Kmを越えると本州より1,000円以上高くなる計算です。

km数 JR北海道
現運賃
JR北海道
新運賃
本州三社 JR四国 JR九州
1~3 200円 210円 150円 190円 170円
4~6 250円 270円 190円 240円 210円
7~10 290円 310円 200円 280円 230円
11~15 340円 360円 240円 330円 280円
16~20 440円 470円 330円 430円 380円
21~25 540円 580円 420円 530円 480円
26~30 640円 680円 510円 630円 570円
31~35 750円 800円 590円 740円 660円
36~40 860円 920円 680円 850円 760円
41~45 970円 1,040円 770円 980円 860円
46~50 1.130円 1,210円 860円 1,080円 950円
51~60 1,290円 1,380円 990円 1,240円 1,130円
61~70 1,490円 1,590円 1,170円 1,430円 1,310円
71~80 1,680円 1,800円 1,340円 1,640円 1,500円
81~90 1,890円 2,020円 1,520円 1,830円 1,680円
91~100 2,100円 2,240円 1,690円 2,010円 1,850円
101~120 2,420円 2,530円 1,980円 2,310円 2,170円
121~140 2,860円 3,080円 2,310円 2,750円 2,530円
141~160 3,190円 3,520円 2,640円 3,190円 2,860円
161~180 3,630円 3,960円 3,080円 3,630円 3,300円
181~200 4,070円 4,400円 3,410円 3,960円 3,740円
201~220 4,510円 4,840円 3,740円 4,400円 4,070円
221~240 4,840円 5,170円 4,070円 4,730円 4,400円

 初乗り運賃は200円から210円になります。2,860円区間(幹線で140Km、地方交通線で128Km)までの運賃は端数を調整しつつ10%を超えない範囲で10円~220円値上げされます。

750円→800円

1,150円→1,230円

2,860円→3,080円

 札幌~小樽間は750円が800円に、札幌~新千歳空港間(南千歳~新千歳空港間の加算運賃20円を含む)は1,150円が1,230円になります。

7,150円→7,480円(留萌はもうないけど)

 それ以上の区間は一律330円の値上げになります。現行のJR北海道単独区間の運賃の最高目は16,390円なので、最低2%以上の値上げを意図したのかなと推測しています。


 今回の値上げによって得た収入は設備の改修や老朽車両の置き換えと言った利用者が改善を実感できるところに振り向けて欲しいと切に感ずるところです。

キハ183系「ふらの・びえい号」:富良野線・ラベンダー畑駅 2019/07/29

日高色キハ40系:石勝線夕張支線・南清水沢駅 2019/03/30

キハ143系普通列車:室蘭線・鷲別駅 2022/10/23

 近年では国鉄末期~JR初期の車両の淘汰が進み、新しくて快適な車両が増えていると感じます。上の3枚の写真の車両も前回の運賃値上げ(2019年10月)以降に廃車され姿を消しています。JR北海道は非上場ですし、過去2回の監督命令で国土交通省からの睨みが効いているのであまり心配はないのかもしれませんが、くれぐれも利益を溜め込んで値上げはされたけれども変化が実感できないという事態にはならないで欲しいと思います。

 また、JR北海道は業績の低迷が続き、それが待遇の悪さに直結し社員の離職が続出しているという好ましくない状況が続いています。JR北海道の現場の社員は入社間もない10代20代と定年を控えたor超えた50代60代が目立ち、本来会社の屋台骨を背負うべき20代後半~40代半ばが極端に少なく、年齢構成のバランスが非常に悪いように見えます。原因は複合的で根深く、是正には中長期的に取り組まなければいけないですが、その一つとして社員の待遇の改善も忘れてはならないと思います。