今年の4月1日よりJR北海道のSL以外の快速・普通列車の指定席料金が値上げされました。SL以外とは快速「エアポート」やノロッコなどの観光列車を指します。
ここでJR北海道の快速・普通列車の指定席料金の変遷を表形式でまとめてみます。指定席料金は時期によらず通年同額です。
SL列車 | SL以外 | |
---|---|---|
~2016/3/25 | 820円 | 310円 |
2016/3/26~2019/9/30 | 820円 | 520円 |
2019/10/1~2022/1/21 | 840円 | 530円 |
2022/1/22~2022/3/31 | 1,680円 | 530円 |
2022/4/1~ | 1,680円 | 840円 |
わずか6年の間にSL列車は約2倍、SL以外の列車では約2.7倍に値上がりしています。さらに新千歳空港から札幌までの乗車券と「エアポート」の指定席券の合計額で変遷をまとめてみます。
乗車券 | 指定席券 | 合計額 | |
---|---|---|---|
~2016/3/25 | 1,090円 | 310円 | 1,400円 |
2016/3/26~2019/9/30 | 520円 | 1,610円 | |
2019/10/1~2022/3/31 | 1,150円 | 530円 | 1,680円 |
2022/4/1~ | 840円 | 1,990円 |
こちらもわずか6年の間に3回の値上げで、6年前に比べて40%以上値上がりしほぼ2,000円です。840円という指定席料金は南千歳~札幌間の自由席特急料金(760円)よりも高かったりします。
2019年10月の値上げは消費税増税に伴うものですが、それ以外の値上げは経営難に苦しむJR北海道の増収を企図したものです。今回の値上げを機にえきねっとでのチケットレス予約「えきねっとチケットレス座席指定券」を導入しましたが、JR東日本の特急列車のような割引はなくきっぷと同じ840円です。
SL列車は客車をリニューアルしたのとSL自体の維持費がかかること、観光列車も客車の維持費にディーゼル機関車牽引する必要があるのでまだ仕方ないとしても、「エアポート」の値上げはとりあえず取りやすいところから取った安易さばかりが垣間見えて腑に落ちません。
私は「uシート料金回数券」(以下補足)があった頃に飼い慣らされてしまったせいか、「エアポート」は短距離でなければほぼ必ず指定席を利用していました。ただ、指定席料金が840円にまで上がってしまったら話は別です。必要であれば利用するかもしれませんが、利用頻度は大幅に減るでしょうね。時間帯によっては1時間に5本も運転されているので、確実に座るために一本後の自由席に乗るなんてこともこれからは増えそうです。
【補足】
「uシート料金回数券」とは「エアポート」のuシート専用の4枚綴りの回数券です。300円相当の指定席券が利用できて4枚綴りで1,000円でした。乗車前にみどりの窓口で指定券の交付を受ける必要がありました。
1ヶ月間有効だったので、空港利用のビジネス客だけでなく通勤客の着席サービス的にも利用されていました。残念ながら2012(平成24)年11月末に発売終了しています。(券名が「Uシート」になっていることに今気づいた)