JAPAN RAIL PASS3
ちょっとご無沙汰していた「JAPAN RAIL PASS」の第三弾です。これで最終回です。
このシリーズの最終回は昔のJRPを取り上げます。おそらくこのデザインがJR以降もっとも長く使われていたものだと思います。私の手持ちでは平成13年までありました。0系新幹線+富士山という外国人が日本をイメージしやすいデザインになっています。
ちょっとわかりにくいですが、0系の上の部分にはコピーガードがかかっていて、コピーすると「複写しないでください」という文字が浮かび上がるようになっています。この画像では虹色になっている部分です。日本語なので外国人には通用しなかったと思いますが。
パス部分と日本語での注意書きは内側にありました。ちなみにグリーン車用は左側のパス部分が緑色の地紋になっています。旅券番号の下に「旧運賃・旧料金適用」という押印があります。これは平成9年4月の消費税増税(3%→5%)の際のもので、現地(台湾)で増税前の価格でバウチャー券を購入し、増税後に日本で引き換えているためです。なので、価格は増税前の価格が書かれています。
現行のJRPではJR系のバス会社でも高速バスの利用ができなくなっていますが、この当時のJRPは以下の路線に限って利用できました。
この当時いずれも1日複数本運転されていた鉄道を補完する都市間連絡の主要路線です。今ではJR系列のバス会社で都市間高速バスや夜行バスをバンバン運行させていて、これら以前から利用可能な路線と区別が付きにくくなっています。そのため最新のJRPではバスは一律利用不可と整理したんだと思います。
また、並行在来線を転換した第三セクターの登場はしなの鉄道の平成9年10月で、このパスの時点ではまだありませんでした。今では6社もあって、来年には7社目が営業開始します。改札口は一緒だけれども、この会社のこの区間が利用できて、あの区間は利用できないという細かなルールは外国人利用客にとって相当分かりづらいと思います。 外国人旅行客は転換三セクなんて利用しないという意見の方はどうぞ冬の妙高高原に行って自分の目で見て確かめてみてください。
私が思うに、外国人旅行客だってJRPを使い倒して滞在中に日本全国回りたい人ばかりでなく、東京近辺と富士山だけよかったり、京都と大阪だけでよかったり、九州一周できればいい客だっていると思います。そういったピンポイントかつ多様なニーズに対応するため、JR各社は自社内で利用エリアを限定したフリーパスや空港から都心部へのアクセスきっぷを充実させています。最近の外国人旅行客はJRPよりもそういう地域限定のフリーパスを持っていることの方が多いような気がします。