かつては初詣向けのトクトクきっぷが各地で発売されていましたが、最近ではあまり見かけなくなりました。
JR四国の「厄除初詣きっぷ」はその名の通り数少なくなった初詣向けのきっぷで、高松と徳島から薬王寺最寄り駅の牟岐線・日和佐までの乗車券+自由席特急券がセットになった往復タイプになっています。
このきっぷは薬王寺への初詣客向けの特急「やくおうじ」が運転される日にのみ設定される列車限定・期間限定の「Sきっぷ」的な存在のきっぷです。別途「ザ・席(券)」を購入すれば指定席の利用もできました。
価格はこんな感じです。
厄除初詣きっぷ | 正規運賃+料金 | 割引額 (割引率) |
|
---|---|---|---|
高松~日和佐 | 6,000円 | 8,640円 | 2,640円 (30.6%) |
徳島~日和佐 | 3,000円 | 4,620円 | 1,620円 (35.1%) |
両方ともキリのいい価格にした結果、距離が長い高松発の方が割引率が低くなっています。高松発で条件が合えば高松~徳島間は「週末自由席早トクきっぷ」(往復2,720円)にして分割した方が安いですし、徳島駅で途中下車もできるのでいいことづくめだったりします。
来年は1月1日~3日に「やくおうじ号」が運転されますが紙の「厄除初詣きっぷ」は発売されません。来年はJR四国チケットアプリの中で「スマえき厄除初詣きっぷ」として発売されます。
「スマえき厄除初詣きっぷ」は高松発の設定がなくなり、往復セットではなく「徳島→日和佐」「日和佐→徳島」という具合に片道ずつ発売されます。価格はそれぞれ1,500円なので往復だと「厄除初詣きっぷ」を買うのと変わりません(JR四国はこういうところでこっそり値上げしないところが良心的と言うかお人好しに見えてしまいますが...)。
「厄除初詣きっぷ」は往復特急利用が前提になっていて、都合が合わずに片道だけ特急利用したい場合でも損はしない価格になっていますが、「スマえき厄除初詣きっぷ」の方が予定を判断してその場で買えて便利だと思います。
それにしても、こういう知名度が低く期間限定のきっぷをアプリに一本化したのは大胆な決断だと思います。私が「やくおうじ号」に乗車した際は中高年の客の割合が高かったので、成否は何とも言えないものがありますが...。まぁきっぷヲタにとってはちょっと複雑ですね。