上越新幹線・燕三条駅のみどりの窓口が今年2月末で閉鎖され「話せる指定席券売機」に置き換えられました。新幹線の駅は長距離客が多い分、みどりの窓口閉鎖は後回しになっていましたが、上越新幹線の駅のみどりの窓口閉鎖は2021年2月末の浦佐を皮切りに2022年2月末の越後湯沢に次いで3駅目で、容赦なく減らしている感です。
燕三条駅の周辺の駅では2022年9月末で越後線・吉田駅と信越線・三条駅のみどりの窓口が閉鎖されており、みどりの窓口を燕三条駅に集約していくのかなと思っていました。そう思っていたら燕三条駅が閉鎖になり、さらに3月のダイヤ改正のタイミングで隣の燕駅も無人化によって閉鎖されました。
最終的には信越線・東三条駅に集約されることになりそうです。2021年度の1日の乗車人員を比較してみると燕三条駅の1,309人に対し東三条駅が2,131人なので、乗車人員で比較した二択であれば東三条駅の窓口を残すという判断はあながち不自然ではありません。
コロナ禍前の2019年度は両駅の乗車人員の差が300人程度だったのが、2021年度では800人に差が広がっています。燕三条駅の2021年度の在来線(弥彦線)の乗車人員は2019年度の水準にほぼ戻っていて、差が広がった分は新幹線の乗車人員の回復遅れによるものと見られます。
燕三条駅のみどりの窓口は2窓ありました。末期は向かって右側のE1をメインに運用していて、E2はあまり使用していなかったようです。2窓ある駅の窓口を一気に閉鎖してしまうのはどうかと思うところはありますが、海浜幕張を皮切りにここ1~2年は五反田・本八幡・茅野・成田・巣鴨・田町という具合に2窓あっても閉鎖されている駅が支社問わず続出しているので、何窓あろうがとにかく閉鎖ありきで考慮されることはないんだと思います。
閉鎖直前の燕三条駅のみどりの窓口です。みどりの窓口の左手にクレジットカード専用型も含めMV50型指定席券売機が既に3台ありますが、3月からここに「話せる指定席券売機」が加わったようです。
燕三条駅は1982(昭和57)年の上越新幹線開業とともに設置されました。国鉄時代の新幹線駅の特徴である大きく重厚な造りの駅舎です。三条市と燕市の境界に近いこの地に新幹線駅を設置するにあたって、駅名をどうするかで揉めたそうです。
田中角栄の仲裁によって新幹線の駅名を燕三条とする代わりに、駅の近くに建設された北陸自動車道のインターを三条燕とすることで決着しました。三条市と燕市の両者の顔を立てた角栄流の配慮なのかもしれません。なお、駅長室が三条市側にあるため、燕三条駅の所在地は三条市になっています。