今年4月からJR九州の福岡県と佐賀県・大分県の一部を管轄する本社鉄道事業本部管内の駅でマルス端末が既存のMR52型から新型のMR52N型に置き換えが始まっています。MR52型は2011(平成23)から導入されもう11年経っていました。
JR九州は昨年3月のダイヤ改正の際に20駅あまりのみどりの窓口を閉鎖しています。これは当面の人件費や端末のリース料の削減とともに、置き換え対象となるMR52型の台数を予め減らしておくことも企図していたはずです。
MR32型があった頃は全国各地にみどりの窓口設置駅がありましたが、2015(平成27)年ごろからJRグループで次々とみどりの窓口が閉鎖され、MR52型をMR52N型に置き換える必要のある駅は大幅に減っています。
工業製品は大量生産することで製造コストを下げられます。MR52N型はMR52型ほどの生産台数には至らないため、製造コストがあまり下がらず端末代が高くなり、MR52N型を導入する駅(台数)はかなり少なくなりそうです。窓口(=端末使用駅)を減らす→端末の生産台数が減る→端末価格が上がる→さらに窓口を減らすというスパイラルに入ったように思います。
JR九州の場合、MR52N型に置き換えられた駅のみどりの窓口は当面安泰だと思いますが、端末の保守期限到来とともにMR52N型への置き換えをせずみどりの窓口を閉鎖する駅が出てくるような気がします。
GWに嫁実家に帰省した際に鹿児島線・門司駅のみどりの窓口でMR52N型のきっぷを購入しました。門司駅は4月の早い段階でMR52N型に置き換えられています。
様式とか印字の太さはほとんど変わりません。発売箇所表記はMR52型の「門司駅ーR」からMR52N型は「門司駅RN」となっていました。今後導入されるであろうJR他社では表記の体系が異なると思われます。
駅の端末を撮るわけにはいかないので、メーカーのHPより端末の画像を引用しました。外観はMR52型そっくりです。係員が操作していた画面のインターフェースもそっくりでした。最初見た時はMR52型との違いが分かりませんでした。
後で画像を見比べてみて一点明らかに違うと気づいたのはディスプレイの下の台座(おそらくこれが本体部分)です。MR52型は白っぽい色でしたが、MR52N型はディスプレイと同じ黒に近い灰色です。ぱっと見で識別できるとしたらこれぐらいだと思います。
メーカーのHPには専門用語を交えていろいろと特徴が記載されています。個人的に興味を持ったのは以下の点です。
- プリンターに自動クリーニング機構を導入し印字かすれの防止
- 記憶装置にSSDを導入・二重化し故障による稼働停止時間の削減
- 耐衝撃強化版タッチパネルの導入
- 客が操作できる旅客向けディスプレイの外付けが可能
- QRコードやバーコードの読み取りができるリーダーの外付けが可能
かすれ防止はきっぷヲタにはありがたいです。SSDや耐衝撃強化版タッチパネルの導入は客側にはほぼ関係のない話ですが、操作者として利用する係員にとってはありがたいと思います。
私が訪ねたMR52N型導入駅(2駅)ではいずれも旅客向けディスプレイやバーコードリーダーは導入されていませんでした。オプションっぽいので必須ではなさそうです。もし、今後導入されることがあればディスプレイに表示された空席から客が自分で好きな席を選んだり、みどりの窓口でQRコード決済ができるようになるのかもしれません。それはそれで今後楽しみではあります。