昨年9月26日よりJR九州のインターネット予約(以下「九州ネット予約」)でチケットレスサービス「QRチケレス」が始まりました。同日予約分より利用できるようになっています。
「九州ネット予約」はチケットレス乗車の仕組みがなかったのできっぷの引き換えが必須でした。2022年3月のダイヤ改正の際に大量の窓口閉鎖や無人化を実施したため、繁忙期には拠点駅のみどりの窓口や券売機が大混雑し利用客が長時間待たされる事態を招いていました。
窓口混雑対策の一つとしてネット予約におけるチケットレスサービスの開始が急務なわけだったんですが、それがようやく実現したという感じです。
普通はチケットレスサービスを実施してから窓口閉鎖をやるべきですが、JR九州の実施順は逆でした。それが利用客と現場に大混乱をもたらし、マスコミ等で報じられ広く知られることとなり会社の評判を下げることにも繋がったと思います。
上のポスターでは小倉駅長が謝っていますが、不始末の原因はひとえに経営判断のマズさによるものですから、極論を言えば現場責任者ではなく最高責任者の社長が謝るべきです(ちなみに小倉駅長は部長級の役職のようです)。
「QRチケレス」の対象は博多を発着とする特急列車の乗車券と特急券がセットになった「九州ネットきっぷ」および各種ネット早特商品です。西九州新幹線との通し利用と特急「にちりん」の小倉〜佐伯間で完結する利用は対象で、九州新幹線・特急「かいおう」の全区間と特急「にちりんシーガイア」で宮崎県内の駅を発または着とする場合は対象外となります。
また、支払方法はクレジットカード決済に限定され、価格はきっぷに引き換えた時と同じで、他社のようなチケットレス割引はありません。
対象列車のきっぷを予約する場合は「ネット予約でQRチケレス」という赤いアイコンが表示されますから一目で分かります。
QRチケレス対象のきっぷで列車・座席位置を選択すると、決済の前にこのような乗車方法を選択する画面が表示され、QRチケレスを利用するかきっぷに引き換えて利用するか選択できます。これは決済後に何度でも変更できるので、予約時はどちらでも構いません。
私はきっぷヲタなのでチケットレスを利用するのは抵抗がないわけではありませんが、感想や悪口を書くのであれば自腹で使ってから書くべきだと思っているので、4月に初めて利用してきました。
QRチケレスで予約した予約済み画面です。乗車準備(QR表示・読込)の赤いリンクをクリックすると入場用のQRコードが表示されます。
QRチケレスの予約済み画面はこんな感じです。QRコードの上の時刻はスマホの時刻設定に合わせて動き、QRコードを囲う線路の周りの赤い列車がグルグル回っています。左下の「QR⇄発券」のアイコンをタップするときっぷ発券に切り替えられます。
QRチケレスから発券モードへ切り替え画面を経て切り替えます。発券モードではQRコードとポスター改札のアイコンが非活性になっています。きっぷの引き換え前であれば「QR⇄発券」のアイコンをタップしてQRチケレスに戻せます。チケットレス割引がないから実現したと思いますが、この切り替えができるのは便利です。
ちなみにQRチケレス非対応区間の予約済み画面はこんな感じで「QR⇄発券」と「ポスター改札」のアイコンがありません。今まで通りきっぷに引き換える必要があります。
QRチケレスはQRコード対応の自動改札機には手前の水色の読み取り部に直接QRコードをかざして利用します。QRコード対応の自動改札機がない駅では予約画面のカメラ機能で改札口付近に貼られたQRコードを読み取って利用します(ポスター改札)。
私:「QRコードか紙のきっぷどっちがいい?」
嫁:「きっぷ(即答)」
保守的で慣れないことは極力やりたくない嫁の性格はそうそう変わりませんね。とりあえず試してみたがる私とは対照的です。それはそれで釣り合いが取れているのかもしれませんが。
在来線の乗車券+指定席特急券のきっぷをチケットレス化したのはJRグループでは初めてだと思います。実際に使ってみて普通に便利でした。使っている人はちらほら見かけますし、博多駅や小倉駅の券売機の待機列も以前よりだいぶ短くなり効果を実感します。
そんな便利なQRチケレスを使うにあたって一点気を付けなければならない点があります。特急列車の車内放送でもその旨を呼び掛けていますが、小倉・博多駅の新幹線乗り換え改札は対応していません。QRチケレスはあくまでJR九州のサービスなので、いったん在来線の改札を出て新幹線改札に入り直す必要があります。その場合は最初からきっぷに引き換えておいた方が便利です。
【補足:2025/6/27】
7月8日予約分より「QRチケレス」はJR九州のすべての在来線で利用できるようになるそうです。