続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

JR西×サブスク☆広島フリーきっぷ

 最近、サブスクとワーケーションいう言葉を耳にします。いずれも新型コロナ禍でより注目を浴びる存在になったように思います。

 サブスクとはサブスクリプション(subscription)の略で、定額を支払って一定期間モノや機能の利用権や提供を受けるというサービスの形態です。身近なところではマイクロソフトのOffice365やAmazonPrimeなんかが一例です。

 ワーケーションはwork(仕事)とvacation(休暇)を組み合わせた造語で、観光地やリゾート地でリモートワークで働きながら、その近辺で休暇も取るという過ごし方です。働き方改革やウィズコロナが喧伝される中にわかに注目を集めていますが、現状では用語ばかりが先走っていて、広く普及しているとは思えません。新型コロナが終息すれば一気に廃れて、「そんなこと言ってた頃もあったね(笑)」という状態になる可能性もあると思っています。

 JR西日本は9月から11月にかけて子会社のベンチャーキャピタルの出資先である「HafH」と「ADDress」というそれぞれ別の住居型のサブスクリプションサービスを提供する会社と組んで、2社の利用者に対してJR西日本が会員専用のトクトクきっぷを発売し、ワーケーションや多拠点生活の移動部分の支援をするという実証実験的なことを行いました。

 「JR西日本×住まいサブスク」という新たな価値創出に取り組み、さらなるサービスの開発や地域の活性化に繋げていくんだそうです。今回の実証実験はそれがビジネスとして成立しうるか見極める目的もあったのでしょう。

 「HafH」は月2回利用で3,000円からで対象施設は広島エリア12ヶ所と和歌山~白浜エリアの6ヶ所、「ADDress」は1ヶ月利用し放題で4万円から(3ヶ月以上の縛りあり)で対象施設は岡山の3ヶ所と尾道と1ヶ所でした。

 会員専用のトクトクきっぷは2社のいずれかに入会し、抽選に当選しないと利用できませんでした。入会した人が無条件で買えるわけではなかったようです。

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 こちらは「HafH」の広島エリアを利用した会員が購入できた「JR西×サブスク☆広島フリーきっぷ」という専用のトクトクきっぷです。当選者はe5489の専用サイトから予約・購入する仕組みでした。大阪市内発と小倉・博多発の設定があり、1ヶ月で2回購入できました。なお、注意書きに「HafH会員本人限定」とあるように、会員本人しか利用できませんでした。

 フリーエリアは以下のとおりで、フリーエリア内は新幹線の自由席も含め3日間利用できました。

【フリーエリア】

    • 山陽新幹線:福山~新岩国
    • 山陽線:大門~岩国
    • 呉線:海田市~三原
    • 芸備線:広島~下深川
    • 可部線:横川~あき亀山

 「HafH」の広島の対象物件が福山・尾道から広島・廿日市まで東西に広く分布しているため、それに合わせたフリーエリアとなっています。

 大阪市内~福山間の乗車券+新幹線自由席は片道7,480円、広島市内だと9,890円します。それにフリーエリア3日間が付いて往復10,000円ですから、トクトクきっぷとしてはかなり安いです。発売対象を絞ったからこそ実現できる価格だと思います。

 今回は手探りの状態の中での試行的な要素が強いですが、1ヶ月で2回というのは少ない気がします。しかも、家族連れであれば本人以外は正規料金を支払う必要があります。本格的に普及させるのであれば、回数や発売額を工夫する(例:2回目までは12,000円で、3回目以降は10,000円にする等)とともに家族用や小児用も別に用意する必要がありそうです。

 JR西日本が今回の実証実験の結果を得て、今後どういう施策を打ち出していくのか注目しています。


 今年の記事はこれで終わりです。年初は「今年はいよいよ東京オリンピック!」なんて感じで高揚し、特に東京なんてバブル前夜のような浮かれムードが漂っていましたが、新型コロナできれいに吹っ飛んだ感があります。今年は新型コロナに始まり新型コロナで終わったと言ってもいいでしょう。

 個人的には4月5月の緊急事態宣言のさなかには初の在宅勤務も経験し、いろいろと我慢して大人しく引きこもっていました。しかし、解除の翌日から通常出社となってしまったため、首根っこ掴まれて日常に引き戻された感です。

 それゆえ7月から「Go Toトラベルキャンペーン」が始まると、緊急事態宣言下の引きこもりの反動もあり、毎週のようにどこかへ出かけていました。7月以降の半年だけで北海道1回、四国4回、九州5回は明らかに異常でした。来年は多少大人しくする予定です(毎年そんなこと言ってる気がするが...)

 さて、私の趣味の範囲での来年の予想は以下のとおりです。

  • 国の支援で一息ついたJR北海道の廃線協議が地元自治体の抵抗で停滞する。
  • JR東日本のどこかの路線が自然災害で長期間の不通が発生する。
  • JR東海が静岡地区にも駅遠隔管理システムを導入。
  • JR西日本で利用者減を理由にみどりの券売機を撤去する駅が出る。
  • JR四国が利用の少ない駅の廃止を打ち出す。
  • JR九州と地元自治体の交渉が難航し肥薩線の復旧方針がまだ決まらない。

2つぐらい当たる気がしますが、果たしてどうなりますやら。年明けはたぶん4日から再開します。