続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

東日本のんびり旅パス

 JR東日本は今年6月末で長らく続いていた「週末パス」の発売を終了しました。入れ替わりに「東日本のんびり旅パス」というフリーきっぷを7月から今年12月26日まで発売しています。

 まずはそれぞれの商品を比較してみます。

  東日本のんびり旅パス 週末パス
利用可能日 期間中毎日
(8/10~19は除外)
期間中の土休日
(最繁忙期は除外)
有効日数 3日間 2日間
フリーエリア 全域 概ね宮城・山形県より南
他社線利用 青い森鉄道通過利用のみ可 10社で可
特急・新幹線 利用不可 特急券購入で利用可
普通列車指定席グリーン 利用不可 グリーン券購入で利用可
発売額 9,000円 8,880円
発売箇所 えきねっとのみ みどりの窓口
指定席券売機・えきねっと
購入期限 利用開始当日可 利用開始前日まで

 「東日本のんびり旅パス」は当日購入できるうえに平日を含む期間中毎日利用でき、フリーエリアは広がって1日あたりの価格は安くなっていますが、「週末パス」では特急券を買い足すことで新幹線や特急列車の利用ができたものが「東日本のんびり旅パス」では「青春18きっぷ」と同様にできなくなり、使い勝手はかなり悪くなっています。

 ちなみに普通列車のグリーン車も「青春18きっぷ」と同様に自由席はグリーン券別途購入で利用可能ですが指定席は利用不可なので、「東日本のんびり旅パス」で観光列車(快速)のグリーン席を利用する場合は注意が必要です。

 「東日本のんびり旅パス」は「週末パス」と入れ替わりのような形で発売開始されましたが、こうして見ると「週末パス」」の代替商品ではなく、むしろ「青春18きっぷ」の通年・東日本限定版商品という位置付けの方が近いと思います。

 そこでJR東日本を広域で利用できる普通列車利用タイプのフリーきっぷの比較という観点から、「北海道&東日本パス」を加えて商品比較をしてみます。

  東日本のんびり旅
パス
青春18きっぷ
(3日間用)
北海道&東日本パス
設定期間 7/1~12/26の毎日
(8/10~19は除外)
春季・夏季・冬季
(年間約140日)
春季・夏季・冬季
(年間約160日)
有効日数 3日間 3日間 7日間
フリーエリア JR東日本全域 全国のJR線 JR北海道・東日本
全域
他社線利用 青い森鉄道の
通過利用のみ可
青い森と北陸3社の
通過利用のみ可
青い森・IGR・
北越急行の全線可
発売額 9,000円 10,000円 11,530円
1日あたり単価 3,000円 3,333円 1,647円
発売箇所 えきねっとのみ みどりの窓口・指定席券売機・えきねっと
購入期限 利用開始当日可

 「東日本のんびり旅パス」は季節限定ながら日本全国使える「青春18きっぷ」と1,000円しか違いがありません。「北海道&東日本パス」との比較では「東日本のんびり旅パス」の方がエリアが狭いにも関わらず1日あたりの単価は約1.8倍です。

 私個人的には「東日本のんびり旅パス」はJR東日本だけをきっちり3日間利用する場合以外にあまり利用価値はなく、「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」の発売期間外の代替商品でしかないというのが率直な感想です。


 私が11月の3連休に利用した「東日本のんびり旅パス」です。「青春18きっぷ」と様式がそっくりな自動改札機に対応した85mm券です。

 こうして指定席券売機で受け取ると後日JREポイントが貰えるメリットはありますが、「えきねっと」縛りで発売する理由がよく分かりません。当日購入できるフリーきっぷなんて近距離券売機で発売してもいいぐらいです。

 そしてリザルトです。[ ]内は新幹線を利用したため別途乗車券を購入した区間です。

  乗車区間 運賃
11/1(土) 品川(山手線内)~宇都宮 1,980円
宇都宮~一ノ関 [5,720円]
一ノ関~平泉 200円
平泉~名取 1,980円
名取~塩釜 420円
塩釜~石巻 590円
11/2(日) 石巻~矢本 200円
矢本~高城町 240円
松島~鳴子温泉 1,170円
鳴子御殿湯~陸前豊里 1,340円
陸前豊里~女川 860円
11/3(月) 女川~山形 2,310円
山形~福島 [1,520円]
福島~渋谷(都区内) 4,840円
16,130円

 いちおう元はしっかり取れていますが、最後の一行程で4,840円分稼いだのが大きいです。4回乗り換えをし、すべての接続が10分以内で順調そのものでしたが、それでも福島~渋谷間はほぼ5時間かかりました。

福島から乗り継いだ列車たち 2025/11/3

 これがなければ金額的に大して有効利用できていませんでした。「東日本のんびり旅パス」で元を取ろうとすると、旅行中の結構な時間を普通列車での移動に割く必要があります。最初に使うにあたって移動も旅の一環という割り切りができていないと苦痛な旅に終わりそうです。