湯けむり
◆種別:快速
◆区間:仙台~新庄(陸羽東線経由)
私が仙台に住んでいた頃、毎週バイトで古川や岩出山に行っていた時期があり、陸羽東線はよく乗っていました。当時は土休日の午後には仙台から鳴子温泉に直通する臨時列車が運転されていて、通学客に混じって温泉に行くと思しき客が多く乗っていました。
その後、2008(平成20)年からは全車指定席の快速「リゾートみのり」が運転されていました。「みのり」が昨年4月に新型コロナ禍による運休からそのまま運転終了してからは、後継として昨年7月から一部指定席の快速「湯けむり」が運転されています。
昨年は小牛田運輸区のキハ110系の座席配置そのままでボックス席やロングシートも指定席として発売していました。私は去年のうちに乗ることはできませんでしたが、聞くところによると誤乗も頻発し結構不評だったようです。
今年は東日本大震災から10年ということもあり、4月から9月の半年に渡って「東北デスティネーションキャンペーン」(以下「東北DC」)が開催されました。
それに伴って(?)盛岡で快速「はまゆり」で使用されていたキハ110系のリクライニングシート付車両2両を小牛田に転属させ、「東北のまつりラッピング」を施したうえで「湯けむり」に充当されました。リクライニングシートが導入されたことに伴い、全車指定席化されました。
リゾート車両でシートピッチの広かった「リゾートみのり」と比べるべくもないですが、リクライニングシートに変更されたことで、最低限指定席料金を取るのにふさわしい設備になったと思います。
車内フリーWi-Fiが整備され、全区間で車内販売が乗務していてソフト面でも頑張っていると思います。最近のJR東日本では新幹線ですら車内販売がない列車は珍しくないですが、こういう観光列車に乗務しているのはありがたいです。
下り(新庄行) | 上り(仙台行) | |
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9:07発 | 仙台 | 17:40着 |
9:51着 9:53発 |
小牛田 | 17:01発 16:59着 |
10:03着 10:15発 |
古川 | 16:44発 16:44着 |
↓ | ↑ | |
11:01着 11:26発 |
鳴子温泉 | 16:03発 16:00着 |
11:58発 | 最上 | 15:30発 |
12:27着 | 新庄 | 15:00発 |
ダイヤはこんな感じです。下りは古川で新幹線の接続を取ったり、鳴子温泉で足湯に入る時間を確保されていたりと観光列車らしいゆとりあるダイヤが組まれています。片や上りは停車時間が少なく、ただ移動するだけになっています。帰りも鳴子温泉での停車時間は取って欲しいところです。所要時間は下りの3時間20分に対し、上りは2時間40分です。
こちらが「湯けむり」の指定券です。決して初めてではないですが、指定券の列車名に「快速」という種別が付くのは珍しいです。
陸羽東線の普通列車の本数が少ないため、指定券なしで小牛田→古川や中山平温泉→鳴子温泉といった短区間の飛び乗り客が散見されました。指定席料金を余分に払ってでも列車で移動したいという需要があるんだと思います。車掌も精算業務に忙しそうでした。
このきっぷに捺されている小牛田運輸区の乗車記念チケッターは東北DC期間中限定で使用されていました。小牛田運輸区に所属している車両がデザインされているようで、たぶん左からキヤE197系、HB-210系、キハ110系だと思われます。
10月2日にこの列車を乗車した際には乗車記念チケッターは東北DC終了により一旦使用終了しており、再使用について車掌に尋ねたところ「調整中」とのことでした。一昨日乗車した際には調整がついたようで使用再開していました。
なお、10月29日から11月7日までの運転日には多客対応のため、キハ110系を1両増結し自由席を設定しています。鳴子峡の紅葉がちょうどいい時期で、一昨日新庄行きに乗車した際には古川から先は指定席がほぼ満席で、自由席も小牛田で立ち客が発生するほどに埋まっていました。
個人的には普段から自由席があっていいような気がしますが、それでは運賃以上の収入が得られませんから、あえて全車指定席で運転するんでしょうね。