利用が伸び悩む加古川線・西脇市~谷川間の利用促進のため、昨年7月から谷川駅を通過としていた特急「こうのとり」を臨時停車させる実証実験を行っています。

まず、2024年7月~2025年2月末までは下り2本、上り4本の臨時停車を実施しました。それが2025年2月末でいったん終了したのち、今年4月13日~10月13日の大阪・関西万博の期間中に「ひょうごフィールドパビリオン応援企画」として下り1本、上り3本に減らして再開されています。
臨時停車が実施された列車は以下の通りです。
【下り(福知山・豊岡方面)】
| 列車名 | 新大阪 | 大阪 | 宝塚 | 三田 | 谷川 | 福知山 | 期間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| こうのとり3号 | 9:04 | 9:12 | 9:34 | 9:45 | 10:17 | 10:45 | ◆ |
| こうのとり17号 | 17:05 | 17:11 | 17:36 | 17:50 | 18:27 | 18:55 | 〇 |
【上り(大阪方面)】
| 列車名 | 福知山 | 谷川 | 三田 | 宝塚 | 大阪 | 新大阪 | 期間 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| こうのとり10号 | 9:50 | 10:17 | 10:49 | 11:00 | 11:23 | 11:29 | ◆ |
| こうのとり12号 | 10:46 | 11:17 | 11:49 | 12:00 | 12:23 | 12:29 | 〇 |
| こうのとり14号 | 12:46 | 13:16 | 13:49 | 14:00 | 14:23 | 14:29 | 〇 |
| こうのとり16号 | 13:44 | 14:16 | 14:49 | 15:00 | 15:23 | 15:29 | 〇 |
◆:2024年7月~2025年2月末まで実施
〇:2024年7月~2025年2月末と2025年4月13日~10月13日実施

これらの列車はもともと谷川駅で対向列車との交換待ちのため運転停車していた列車で、ダイヤはほとんどいじらずに臨時停車が実現しています。
以前、加古川線を乗り鉄した際に谷川駅の両ホームに「こうのとり」が運転停車し、数分の停車の後に両方ともドアを開けずに発車していたのを見て、ドアを開けて客扱いをすれば多少は客が増えるんじゃないのかなぁと思っていました。


私が利用した谷川駅臨時停車の特急券です。もともと上り列車で谷川駅で下車する客は少ないんでしょうが、利用していたのは私一人でした。

また、「こうのとり」の臨時停車に加えて日中の加古川線で西脇市~谷川間で普通列車が2往復増発されています。加古川線の乗車機会を増やすことで万博期間中の同区間の利用が増えるか検証するとのことでした。

私が加古川線(西脇市~谷川間)を利用した感覚としては、「こうのとり」を臨時停車させ普通列車の本数を多少増やしたところで現状では外部から観光客を呼び込むのはかなり厳しいと感じました。観光客はあまりアテにせず沿線住民の利用促進に注力した方がいいと思います。
まず、観光するにも駅からの二次交通が乏しいです。ウイング神姫バスや西脇市のコミュニティバス路線がありますが、通勤通学時間帯に最適化されたルートやダイヤなので観光利用には向きません。


レンタサイクルは黒田庄駅にあるだけで、レンタカーも西脇市駅・新西脇駅周辺に数軒あるだけで多くありません。せめてレンタサイクルが西脇市駅にあれば鍛冶屋線の廃線跡めぐりもできたのになと思いました。
8月22日のJR西日本のプレスリリースで大阪・関西万博終了後のダイヤ修正の概要が発表されました。10月13日まで予定されていた「こうのとり」の谷川駅臨時停車と加古川線の増発はスケジュールどおり終了するそうです。明らかに効果があれば延長されたんでしょうけど、延長されなかったということはそういう結果だったのかなと思います。