先日のNHKニュースでこんなニュースがありました。以下抜粋します。
新幹線チケット 約70万円分を不正発券か 容疑者2人逮捕
不正に入手した他人のクレジットカード情報で新幹線のチケットおよそ70万円分を発券したとして、容疑者2人が逮捕されました。
JR東海では新幹線の予約サイトからの不正な発券がことしだけで8億円余りにのぼっていて、警視庁は偽サイトなどで盗み取られたアカウントやカード情報が悪用されているとみて捜査しています。
JR東海の新幹線の予約サイトとあるので、被害に遭ったのはおそらく年会費不要で手持ちのクレジットカードがあれば利用できる「スマートEX」しょう。今年1月以降の被害総額は8億7,000万円に及んでいるそうです。
おそらく手口は不正に入手したカード情報で「スマートEX」に会員登録して適当な日の自由席の予約を入れ、駅の指定席券売機でQRコードできっぷに発券し、そしてそれを金券ショップに持ち込んで換金していると思われます。私も明らかにそれらしいきっぷを金券ショップで見たことがあります。
自由席にするのは使用前に1回だけ使用日の変更ができ価格が通年同額で安いためと思われます。金券ショップの店頭には自分で使用日を変更して使ってくださいと注意書きが貼ってありました。
かつて「EXサービス」ではきっぷの受け取り時にクレジットカードの現物が必要だったので、こういう手口は考えられませんでした。しかし、2020年7月からそれができなくなり、代わりにEX-ICカードかQRコードでの受け取りになりました。「スマートEX」にはEX-ICカードはないのでQRコード一択になりました。
「EXサービス」でQRコードを表示させるまでの手順はかなり面倒ですが、いったん表示させてしまえば7日間使えますし、カードレスで受け取れるので自分が駅まで受け取りに行けない時には代理者にQRコードの画像を送って代わりに受け取ってもらうこともでき、便利な面もあります。ただ、その便利さを逆手に取られてしまった感です。
これに対してJR側も手をこまねいていたわけではなく、「EXサービス」では7月30日から指定席券売機でのきっぷの受け取りを乗車3日前からに制限をかけています(おかげで「EX予約」で早めにe特急券を受け取りたい私は大迷惑してるんですが)。駅のみどりの窓口ではその制限はありません。
また、JR東日本の「えきねっと」でも昨年5月から東海道・山陽・九州・西九州新幹線を含む予約についてはQRコードでの受け取りを不可とし、クレジットカード現物が必要になっています。以前は「えきねっと」で発券したそれらしいきっぷも金券ショップの店頭で見かけましたが、最近では見かけなくなりました。
「スマートEX」は予約を交通系ICカードに紐づけてチケットレスで利用することが前提なので、きっぷに発券すること自体がイレギュラーです。ただ、交通系ICカードを忘れてきたり、何らかの理由で使えなくなった場合などに備えてきっぷに引き換える機能は必要です。
「スマートEX」の不正発券に困っているのであれば、QRコードでの受け取りを取りやめ「えきねっと」同様にクレジットカード現物を必須とするのがもっとも効果的だと思います。そうでなければきっぷの引き換えをみどりの窓口・指定席券売機とも乗車当日限定にするぐらいしてしないとダメじゃないかなと思います。