しおさい81・82号
◆種別:特急
◆区間:東京~銚子
特急「しおさい」は昨年3月のダイヤ改正で255系が定期運用を離脱し、「成田エクスプレス」用のE259系が投入され、E257系とE259系の組み合わせで運転されています。定期運用から離脱した255系は5編成あったうち4編成が既に廃車・解体されています。
「しおさい81・82号」は多客期に運転されている臨時列車で、今年のGWも4月26・27日と5月3日~6日に運転されましたが、5月3日だけ様相が異なりました。
なんと廃車回送されず残っていた最後の255系(Be-03編成)がおよそ8ヶ月ぶりにまさかの運用復帰し、5月3日の「しおさい81・82号」に充当されました。今年1月の春臨の発表では「E257系5両」と記載されていましたが、時刻表が発売される頃にはグリーン車が連結され255系が充当されることが判明しました。
JR東日本千葉支社はこの日の「しおさい81・82号」に255系を投入した理由について、「255系は9両編成で座席数も多いことから、GWに少しでも多くのお客さまにご利用いただけるよう」投入したとネットメディア(TETSUDO.COM)の取材に対し答えています。


これまで散々255系に乗ってはいましたが、もう乗れないと思っていた車両に思いがけずもう一度乗れそうという話になると、やっぱ乗ってみようかなと思うもんです。
「えきねっと」の事前予約や10時打ちには参戦しなかったものの、即満席ということはなく何とか席は確保できました。GW後半戦の初日ということもあり、窓側席は早い段階で埋まりました。
なるたけ鉄ヲタの皆さんが写り込まないように画像加工しましたが、当日の東京駅の総武地下ホームには人が溢れていました。指定席は満席になっていましたが、座席未指定券は席数制限なく発売するので、千葉あたりまではデッキにもいっぱい乗っていました。
🤔🤔🤔🤔 pic.twitter.com/NSNdxqDmfU
— imadegawa075 (@imadegawa075) 2025年5月3日
スピーカーから発せられる車内放送はところどころで途切れて聞き取りづらく、案内表示も「新宿さざなみ号 銚子行」なる奇妙な表示をしていました。しばらく運用から離れていた車両を引っ張り出してきたので仕方ない面ですが、工業製品は使い続けて定期的な手入れをしないと劣化する一方だなと感じました。
JR東日本の目論見どおり多くの乗客を満載して銚子に到着しました。ただ、乗客の9割が鉄ヲタで、普通の行楽客はほとんどいなかったように見えました。銚子駅のホームには今まで見たことのない人の数でした。房総特急の凋落や高速バスや自家用車との競争もあり、普段は「しおさい」が到着してもそんなに人は多くない印象ですが、この日ばかりは違いました。
銚子駅前にお目当ての食堂があったんですが、この日は255系効果なのか店外まで行列ができている始末でした。食堂は諦め銚子駅から海に向かって散歩し、少しの土産を買って銚子を後にしました。やっぱり走行写真も撮りたいなと思ったので、八日市場駅まで先回りし、望遠で「しおさい82号」の写真を撮って跨線橋の階段を駆け上がってそのまま飛び乗って錦糸町まで帰りました(顔にかかった架線の影がちと残念です…)。
255系は5月4・5日は特急「新宿さざなみ」に投入され、新宿~館山間を往復しました。また、8月9・10・11・16・17日は特急「新宿わかしお」、9日~11日は「わかしお89号」にも投入予定だそうです。そんな感じでまだ255系に乗る機会はありますので、興味のある方は乗ってみてはどうでしょうか。ひょっとしたら最後の夏かもしれません。