続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

はまかぜ5号自由席特急券

はまかぜ5号自由席特急券

 先の3月のダイヤ改正で特急「はまかぜ」は自由席がなくなり、全車指定席化されました。着席機会を増やすという大義名分は分からんでもないですが、地域間輸送の特急列車で、停車駅にはマルス端末もみどりの券売機もない駅(生野・竹田・竹野・岩美)がある現状においては、理想と現実が乖離している感はあります。

 3月24日の神戸新聞(但馬版)には全車指定席化によって定期券での利用ができなくなり、浜坂~豊岡間の定期券利用者が「はまかぜ」を利用する場合はこれまで660円の自由席特急券だけ買い足せばよかったものが、1,190円の指定席特急券と860円の乗車券が必要になって3倍以上高くなるという記事があり、そういう問題もあったのかと認識を新たにしたところです。

 以前、「はまかぜ」が全車指定席化されるという記事を書いた際に、案外「はまかぜ」の自由席特急券を持っていないことに気づきました。そこで、ダイヤ改正前にあの辺りに行く予定があったので、あえて自由席に乗車してみました。

 「はまかぜ」は定期列車が3往復運転されています。1・4号が大阪~浜坂間、2・5号が大阪~鳥取間、3・6号が大阪~香住間(多客期は浜坂まで延長運転)と全部運転区間が異なります。

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 私が使用した自由席特急券です。着駅が鳥取なので、一目で5号のものと分かるかと思います。B特急料金が兵庫県内の浜坂までで、浜坂から先の区間を含むため、八鹿~鳥取間だとA特急料金になります。

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はまかぜ5号:山陰線・岩美駅 2021/2/28

 乗車した「はまかぜ5号」は大阪を18:04に発車し、22:30に鳥取に到着します。大阪から帰る通勤客や三ノ宮や神戸と但馬地方を行き来する人が主に利用するものと思われます。京阪神と対鳥取であれば、大阪を約2時間後に発車する「スーパーはくと12号」(鳥取22:43着)の方が便利です。

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はまかぜ5号の自由席表示 2021/2/28

 私が乗車したのは日曜日だったため、休みを終えて但馬地方へ戻るっぽい人が多く見受けられました。それでも自由席の乗車率は3割程度でした。駅に停車するごとに乗客は減っていき、豊岡と浜坂でまとまった下車がありました。浜坂発車後、トイレのために席を立つと乗客は私だけになっていたことに気づきました。

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 なお、この日は先行列車が鹿と衝突しダイヤが乱れていたため、交換列車待ちで岩美駅で15分ほど停車しました。ヒマつぶしのため車外に出て駅の中をうろついていたところ、券売機に自由席特急券口座があったので1枚買ってみました。これも「はまかぜ5号」と分かる自由席特急券です。

 岩美からの乗客はなかったため、浜坂~鳥取間は貸切で運行されました。過去に特急列車で1両に自分しか乗ってなかったことはありますが、列車内に自分しか乗ってなかったのは初めてです。自分一人というのは衝撃的な経験でした。

 普段、この列車のこの区間の乗車率はどの程度かは承知していませんが、こんな調子なら「はまかぜ5号」も大阪~浜坂間の運転でいいような気がしました。しかし、 5号に充当される編成はこの日だけで大阪→浜坂→大阪→鳥取(1号→4号→5号)と約750Kmも走っていて、おそらく給油設備のない浜坂に停泊させたまま翌日大阪へ向かう運用には入れないと思われます。そのため、給油設備のある鳥取(西鳥取車両支部)まで回送ついでに運行してるんじゃないかなと勝手に考えています。

 3月のダイヤ改正で「はまかぜ」から自由席がなくなりましたが、1日3往復しかない地域間輸送の特急列車なので、指定席が満席でもどうしてもこの時間の列車に乗りたいという需要はあるはずで、全車指定席化はやはりやり過ぎです。現実問題としては次のダイヤ改正で1両だけでも自由席を復活させた方がいいと思います。