8月に予讃線・多度津駅から特急「南風3号」に乗車した時のことです。階段に近い1号車のドアから車内に入り、指定された2号車に向かいました。予約したのは一番後ろで背後が壁になっている13番席です。後ろに気兼ねせず座席が倒せるので最近気に入っています。
ところが2号車に入ると指定されたはずの13番席がありません。当日に指定を取ったので日付は間違いようがなく、きっぷには確かに「南風3号」の「2号車13番A席」とあります。北海道のような「増2号車」といったトラップもなく何度見ても2号車でした。
きっぷと座席を見比べて「おかしいなぁ...」と戸惑っていたら、私と同じような動きをしていたオッサンに遭遇しました。
私:「ひょっとして2号車13番ですか?」
オッサン:「ええ13番のDです」
私:「私Aなんですけど13番ないですよね?」
オ:「ないですね」
私とオッサンは妙な会話をし、とりあえず空いていた12番席に通路を挟んで座って車掌が回ってくるのを待ちました。
列車は善通寺・琴平とこまめに停車し、琴平駅を発車してほどなく車掌が回ってきました。車掌は手元の空席情報を見比べながら空いているはずの12番席に私とオッサンが座っていたのできっぷを見に来ました。
私:「指定は13番Aなんですけど13番がないんですよ。そちらの方も...」
車掌:「ええっ!?そちらのお客様は?」
オ:「私は13番Dです」
私はきっぷを見せながら事情を説明しました。車掌は状況にイマイチ飲み込めない感じで戸惑いつつも平謝りでした。
結局オッサンは次の阿波池田で降りる予定だったようでそのまま12番D席に座り、高知まで乗る予定だった私は仮で座った12番A席が阿波池田から予約済みとのことだったので、同じ号車の別の席を案内されました。調整席の正しい使い方です。
私も何でこんな怪奇現象が起こったのかさっぱり分からなかったんですが、当地の事情に詳しい方によるとこういうことでした。
「南風」で運用されているJR四国の2700系は下の表のように2700形・2750形・2800形の3種類あり、需要に応じてこれらを頻繁に切ったり繋いだりして編成を組んでいます。
型式 | 車内設備 | 座席数 |
---|---|---|
2700形 | 普通車・多機能トイレ・車椅子スペース | 46名 |
2750形 | 普通車・洋式トイレ | 52名 |
2800形 | 半室グリーン席・多目的室・洋式トイレ | 36名 |
「南風3号」の2号車は所定では2750形のはずでしたが、前日に踏切事故か何かのトラブルがあったそうで突発的に車両運用が変わっていたそうです。2号車には本来充当されるべき2750形ではなく座席数の少ない2700形が充当され、このような事象が発生しました。
JR四国HPに掲載されている2700系の座席表です。赤字部分は私が追記しました。2750形は13列ありますが2700形は12列で確かに13番席がありません。私は自分が指定した座席がないなんて初めてでびっくりだったんですがどうやら「JR四国あるある」なんだそうです。