JR北海道は今月末で室蘭線・室蘭駅を無人化することを発表しました。室蘭市の鉄道の玄関口は7Kmほど離れた東室蘭駅で、コロナ禍前の2019年度の1日の乗車人員は室蘭駅が631人に対し、東室蘭駅が1,833人と約3倍の差があります。でも、室蘭駅まで無人化されてしまうのかと少し驚きました。
室蘭市内では2015年10月に鷲別駅が無人化され、2017年3月に御崎駅の簡易委託が解除され、これで室蘭駅が無人化されると窓口できっぷを発売する駅は直営の東室蘭駅と簡易委託の母恋駅の2駅にまで減ります。
かつては石炭を船に積み出しをする貨物駅としても賑わい、広い構内を持った駅でした。国のエネルギー政策の転換により北海道の炭鉱が次々と閉山に追い込まれ、1969(昭和44)年には室蘭駅での石炭貨物の取り扱いを終了しています。
以前の室蘭駅は国道の終点付近の「海岸町」という港のすぐ近くに位置し。周囲には貨物線が広がっていました。上の地図の胆振総合振興局がある辺りや国道が走っているところも室蘭駅構内の貨物線の跡地です。
使われなくなった貨物線の跡地を再開発に活用し、室蘭駅は路線を1.1Km短縮する形で1997年に現在の位置に移転しました。港町らしく船のマストに似せた円柱があるコンパクトな駅舎です。円柱の中は吹き抜けになっています。
室蘭駅はみどりの窓口がある業務委託駅です。今年3月にアシストマルスの「話せる券売機」が設置されています。窓口営業時間は07:20~17:30ですが、オペレーター対応で06:00~22:10もきっぷの購入ができます。
私が最後に当地を訪ねたのは2022年5月でした。東室蘭までは比較的よく行くものの、室蘭だと支線状態のためどうしても足が遠ざかってしまいます。
どうやら無人化後も「話せる券売機」は撤去されず引き続き残るようです。JR北海道で無人駅に「話せる券売機」が設置されるのはおそらく初めての事例です。今後このパターンで無人化する駅が出てくるのか密かに注目しています。