続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

あずさ往復割引きっぷ

あずさ往復割引きっぷ

 「あずさ往復割引きっぷ」というきっぷ名だけ聞くとJR東日本のきっぷに見えますが、実はJR東海管内で発売されている往復きっぷです。飯田線北部主要駅→東京都区内の一方向の設定で、岡谷~東京間の特急列車の自由席が利用できます。全区間往復で6日間有効です。

P0221 (ゆき)

P0222 (かえり)

 これがそのきっぷの現物です。きっぷの見てくれはそれほど特徴はありませんが、辰野・岡谷・上諏訪の各駅で途中下車ができます。こういった単純な往復きっぷで途中下車できる例は珍しいです。

 実際に往路利用の際に岡谷駅で途中下車しようとして、きっぷを自動改札機に通したところ、あっさり飲み込まれました。券面の上の方に開いている穴はそのせいです。結局、改札の係員に事情を話してきっぷを救出してもらい事なきを得ましたが、自動改札の設定を修正するか途中下車する際は有人改札を利用するような記載があってもいいように思います。

 価格は出発地によって以下のようになっています。伊那市・駒ケ根発着の高速バスの運賃は駅近くのバスターミナルからの運賃で比較しています。

      あずさ往復   正規運賃+料金   割引率   高速バス正規往復

伊那市    9140円     12400円     26.3%     6500円

駒ケ根   9760円     13240円     26.3%     6800円

飯田    10680円     14500円     26.3%     7800円

天竜峡  11320円     15120円     25.1%     設定なし

 JRの会社跨りのトクトクきっぷは会社間の精算が発生してしまうため、割引率は渋くなりがちな印象がありますが、このきっぷは25%超の割引率があります。おそらくこのきっぷは新宿と飯田線沿線を結ぶ高速バスへの対抗という意味合いがあり、割引率を高めに設定しているように思います。

【ひとこと】

 JR東日本の中央線沿線から東京へは「あずさ東京週末フリーきっぷ」というフリーエリアがついて特急列車の指定席が利用できるきっぷがありますが、前日までの発売制限があって、土休日の2日間有効です。片やこのきっぷはフリーエリアはなく、自由席しか利用できないものの、当日購入可能で6日間有効で、場合によってはこちらの方が使い勝手がいいぐらいです。

 このきっぷがあってもバスとは3000円近い価格差はあって、価格的には不利です。ただし、バスは高速道路の渋滞の影響をモロに食らうので、特に休日は定時性の面で問題があります。飯田線も本数が少なくて時間がかかるので不便ですが、列車は時刻表どおり動いてくれるので定時性では一日の長があります。用途や何を重視するかによって使い分ければよいと思います。

使い勝手…★★★★☆

お得感…★★★★☆

当日発売…あり

小児用…あり(半額)

【補足:2014/5/9】

 「あずさ往復割引きっぷ」は今年3月末で発売を終了し、特急料金が分離されて東京フリーエリアが加わった「飯田線東京フリー乗車券」が新たに発売されています。辰野・岡谷・上諏訪での途中下車は引き続きできるようです。