続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

北陸新幹線トクだ値10

北陸新幹線トクだ値10

 北陸新幹線開業を機に「トクトクきっぷ」がほぼ壊滅してしまった事は以前の記事で書きました。この記事を書いている9月末現在で、JR東日本管内でほぼ無条件で購入できる唯一の割引きっぷが「えきねっと」の「トクだ値10」です。

 北陸新幹線の中でも旧長野新幹線区間(東京~長野)では「あさま」に「お先にトクだ値」の設定もあって最大35%割り引かれますが、新規開業区間(飯山~金沢)発着になると「トクだ値10」しかなく最大でも10%引きです。開業特需が一巡するまでは割り引かなくても利用客が見込めるという計算があるんだと思います。

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 私が利用した北陸新幹線の「トクだ値10」です。JR東日本からJR他社へ跨る「トクだ値」の設定は初めてだと思います。東京・上野・大宮~飯山以遠と長野~糸魚川以遠の設定があります。

 このきっぷの値段を見た時、感覚的に10%割り引かれているのに高いなと思いました。長野~新高岡間の営業キロは188.4Kmです。ほぼ同じ営業キロにあたる東京~上田間(189.2Km)と比較してみます。特急料金は通常期のものです。

【長野~新高岡:188.4Km】

  • 乗車券:3,350円
  • 特急券:4,080円     合計:7,430円

【東京~上田:189.2Km】

  • 乗車券:3,350円
  • 特急券:3,320円     合計:6,670円

 ほぼ同じ距離なので乗車券は同額ですが、特急料金に760円の差が出ています。これは長野~新高岡間が上越妙高駅を境にJR東日本JR西日本を跨がることにより、両社別々で計算した特急料金を合算し調整を加えているため、JR東日本完結になる東京~上田間の特急料金より割高になっています。山陽新幹線と九州新幹線が跨る場合も同じような考え方です。 

 北陸新幹線が開業してはや半年が過ぎました。利用状況は好調なようで、先日も金沢駅や市内の観光地が多くの人で賑わっているところをテレビで放映していました。

 ただ、それが今後も続きそうかと言うと、案外そうでもないようです。NHKの報道によると、金沢を訪れた客に「次回新幹線を利用するか?」という質問をしたところ、「する」と答えたのはわずか15%だったそうです。今回は新幹線で北陸に来た客が次回また新幹線で来てもらえるかが試金石だと思います。開業特需が一巡し、冬の閑散期に入る頃には次の一手が用意されることを期待したいところですが、果たしてどうなりますやら。