続・吾輩はヲタである

JR券をメインとしたきっぷのブログ

アプリくじきっぷ(第2弾)

 JR九州では「アプリくじきっぷ」というトクトクきっぷを発売しています。昨年7月~9月にも発売され、好評のうちに早々に完売したので第2弾ということで年明けから再発売されました。

 利用は1/6~3/18です。曜日問わず利用できる全日利用タイプと平日のみ利用できる平日限定タイプの2種類あります。全日は天皇誕生日の3連休の2/22~24は除外日で、平日限定は往復とも平日である必要があります。

 購入から乗車までの流れはこんな感じです。

JR九州アプリでくじ引き券を人数分購入

購入後3日以内にくじを引いて行き先が決定しクーポンを獲得

クーポンを利用して列車を予約し差額を支払って完了

駅やみどりの窓口できっぷに引き換える

くじ引き券購入画面

 くじ引き券は4,500円で全日か平日限定かはこの時点で決める必要があります。列車を予約する際に全日は1,500円、平日限定は500円追加で決済します。くじ購入時の4,500円と合わせて全日は6,000円、平日限定は5,000円が実質的な発売額です。平日限定には別途特典も付きました。

 発売数は全日8000セット、平日限定5000セットの計13000セットです。第1弾より3000セット増えました。空くじはなく以下の確率で必ずどれかに当選します。

確率 利用区間 備考
45% 博多~熊本・水前寺 九州新幹線つばめ指定席
30% 博多~大分・佐伯 ソニック指定席+にちりん自由席
10% 博多~長崎・浦上 リレーかもめ+西九州新幹線指定席
5% 福岡市内~鹿児島中央 九州新幹線指定席
5% 福岡市内~宮崎 九州新幹線指定席+きりしま自由席
5% JR九州3日間乗り放題 指定席6回まで

 往復タイプは博多・福岡市内発のみなので、北部九州の出現率が85%と高く南九州の出現率は低いです。個人的にはエリアは狭くてもよいので、フリーきっぷタイプがもう少しあった方がよかったと思います。

 で、全日用を購入しくじを引いた結果こうなりました。

くじ引き結果

 順当に(?)45%の確率を引き当てて熊本でした。結果を見た瞬間ですよねという乾いた笑いが出ました。

クーポン画面

 獲得したクーポンはアプリのクーポンタブの中に格納されています。「クーポンを確認」のリンクから予約に進みます。

列車予約・決済画面

 1月の3連休に北九州の嫁実家から日帰りで熊本へ行くことにし、前日に往復の「つばめ」を予約し残りの1,500円を決済して予約完了しました。

 引き換えた「アプリくじきっぷ」です。復路片の総発売額6000円という価格表記が独特ですね。決済日は残額の1,500円を支払った乗車前日になっています。

 指定券は最近あまり見かけなくなった早特専用の指定券です。ただ、「アプリくじきっぷ」=早特ではないので、「『早特』きっぷと同時使用に限り有効」「『早特』きっぷ専用指定席券です」いう券面の注意書きはおかしいと思います。


 ちょっと脱線して「アプリくじきっぷ」を1枚購入した際の期待値を計算してみます。期待値とは得られうるすべての値とそれが起こる確率の積を足し合わせたものです。私が高校生の頃は数学の「確率・統計」という科目で習いました。

 それぞれの区間のきっぷを九州ネット予約で購入可能な最安価格を原価として、それと上記の出現する確率を掛け合わせて計算しました。なお、現在JR九州が特急料金込みで3日間乗り放題になるきっぷは発売していないので、便宜的に2023年版の「みんなの九州きっぷ(全九州)」の2日間用に1.5を掛けた数値を利用しています。

利用区間 原価計算対象のきっぷ 内訳 原価
博多~熊本・水前寺 九州ネット早特7 3,400円×2 6,800円
博多~大分・佐伯 九州ネット早特3(博多~大分間)
大分~佐伯間は正規運賃+特急料金
2,550円×2
2,310円×2
9,720円
博多~長崎・浦上 私たちも、かもめ。早特7 3,200円×2 6,400円
福岡市内~鹿児島中央 九州ネットきっぷ 10,110円×2 20,220円
福岡市内~宮崎 九州ネットきっぷ(福岡市内~鹿児島中央)
九州ネットきっぷ(鹿児島中央~宮崎)
10,110円×2
2,620円×2
25,460円
JR九州3日間乗り放題 みんなの九州きっぷ(2日間用) 18,000円×1.5 27,000円

6,800円×45%9,720円×30%6,400円×10%25,460円×5%20,220円×5%27,000円×5%

10,250円

 「アプリくじきっぷ」を1枚購入した際の期待値は10,250円で、これが利用価値に相当します。これを5,000円ないし6,000円で購入できるので数字的には十分割安であると言えます。

ひとこと

 上で十分割安と書きましたが、実際にくじで期待値を大きく下回る熊本や長崎を引き当ててしまうとあまり割安感はありません。

 旅行の行き先をくじに委ねゲーム要素を持たせる売り方はJR東日本の「どこかにビューン」やJR西日本の「サイコロきっぷ」でも行われていて、それなりに好評なようです。「アプリくじきっぷ」第2弾も2月中旬で完売しています。そのうちまた第3弾が出るような気がします。

使い勝手:★★★☆☆

お得感:★★☆☆☆(くじの結果次第)

当日発売:あり

小児用:なし