JR東日本および東海から公式な発表はありませんが、特急「しなの」の大糸線乗り入れが終了した模様です。定期列車の運転はなく、多客期の臨時列車として名古屋~白馬間での運転が続いていました。
冬臨での運転は2月11日で終了し、先日発表された春臨の設定はありませんでした。後で追加で設定されることはなくはないですが、2月11日の「しなの84号」で「本日この列車の運転をもって大糸線乗り入れを終了」という旨の車内放送があったとのことなので、今度こそ終了の可能性が高そうです。
大糸線に乗り入れる「しなの」はグリーン車のないモノクラスの4両編成で運転されています。指定席と自由席が2両ずつですが、混みあっているという印象はあまりありません。松本で客が入れ替わり、名古屋方面との直通客は意外と多くないのかなと感じました。
JRも国鉄分割民営化から40年近く経ち、他社の車両の乗り入れを嫌う傾向が顕著になっています。しかし、「しなの」については長野まで毎日13往復も運転していて、JR東日本のこの辺りの乗務員にとっては馴染みの車両でしょうから、車両の問題ではないような気がします。
この背景について一つ思い当たるのは、春臨から全車指定席の特急「はくば」が松本〜白馬間でほぼ毎週末1往復運転されるようになることです。下り列車は「しなの」より2時間半繰り下がりますが、本数的には「しなの」の乗り入れ中止分を毎週末補うことになります。
ただし、「はくば」は着席サービス適用の割安な特急料金ではなく、A特急料金で繁忙期の料金加算もあるので、松本で乗り継ぐと高くつきます。「はくば」をほぼ定期的に運転するのであれば着席サービス対象列車に加えて欲しかったという思いはあります。
関東に住むようになると大糸線方面へは特急「あずさ」で直通してしまうため、「しなの」に乗る機会は多くありませんでした。大糸線で乗ったのはせいぜい3~4回程度で、今はなき大阪「しなの」よりも少ないぐらいでした。
初めて利用したのは381系のパノラマグリーン車に乗った時です。昔はグリーン車が連結された車両が大糸線に乗り入れていました。「しなの5号」という定期列車っぽい号数ですが臨時列車です。この当時は定期列車と臨時列車の号数が通しで設定されていました。
当時の私にとっては1時間ちょっとの区間をグリーン車に乗るというのはなかなかの決断でした。381系が定期運用から離脱しており、そろそろ危ないかなと思って乗りに行きました。381系のパノラマグリーン車の乗車は結局この時が最初で最後となってしまったのは残念でした。
最後に乗車したのは昨年です。現在、大糸線の特急で自由席があるのは「しなの」だけなので、列車の指定がなくとも「しなの」の特急券と判別できます。
個人的には今回の「しなの」の大糸線乗り入れ終了は「あずさ」と特急料金の料金体系が異なり、自由席がある「しなの」を大糸線から排除したかったという意図もあるように思います。なくなると分かっていればもっと乗っておけばよかった感です。