「快速みえ得ダネ4回数券」は伊勢鉄道経由で名古屋・北勢地区と中勢地区を結ぶ4枚綴りの回数券です。割引率が高い代わりに有効期間が1ヶ月間です。券名には「みえ」の名前が入っていますが、特急券を買い足せば特急「南紀」の利用もできます。設定があるのは以下の区間です。
- 名古屋市内⇔鈴鹿・津・松阪・多気・伊勢市・鳥羽
- 桑名⇔津・松阪・多気・伊勢市・鳥羽
- 四日市⇔松阪・多気・伊勢市・鳥羽
名古屋~鳥羽間の営業キロでも200Kmを超えないので、普通乗車券であれば「名古屋市内」は適用されず「名古屋」単駅になりますが、このきっぷについては「名古屋市内」が適用されます。
これが現物です。(乗車券・伊勢鉄道線経由)となっているのが面白いところです。見てのとおり繁忙期の利用制限がないのも特徴です。私の手持ちにはありませんが、伊勢鉄道・鈴鹿駅ではこの回数券の常備券タイプが発売されているそうです。いつか買いに行きたいとは思っているんですが…。
JRは快速「みえ」の投入でスピードアップを図ってきた成果もあり、所要時間については近鉄特急とほぼ互角の水準になりました。しかし、間に第三セクターの伊勢鉄道が挟まるため運賃はどうしても割高になってしまいます。この回数券はその運賃差を逆転させるため発売されているようなものです。
JR正規運賃 | みえ得ダネ (1枚あたり) |
近鉄正規運賃 | |
名古屋~津 | 1,230円 | 750円 | 980円 |
名古屋~松阪 | 1,600円 | 1,000円 | 1,230円 |
名古屋~伊勢市 | 1,940円 | 1,200円 | 1,410円 |
名古屋~鳥羽 | 2,380円 | 1,400円 | 1,680円 |
こうして比較をしてみると「みえ得ダネ」の1枚当たりの運賃は近鉄の正規運賃から2~300円割り引いていると言えます。近鉄で特急を利用する場合は別に特急券が必要になります(急行は不要)。
かつては名古屋から伊勢の方に観光に行く場合は安くて速い近鉄しか選択肢になかったんですが、JRも「みえ」を投入して設備やスピードの改善を図ったり、このきっぷや「伊勢路フリーきっぷ」など格安のきっぷを発売するなどあの手この手でテコ入れしており、近鉄との格差は明らかに縮まってきたように思います。