昨年10月~12月に「愛知デスティネーションキャンペーン」が開催されました。愛知県では13年ぶりの開催だったんだそうです。13年前というと平成17年(2005年)で、ちょうど愛知万博の年でした。余談ですが、このブログは愛知万博ロスのヒマつぶしで始めたものです。
愛知DCに伴って、期間中に愛知県内の鉄道・バスが2日間利用できる「愛知DCフリーきっぷ」が発売されました。特筆すべきはその交通機関の網羅性の高さでした。フリーエリアは以下のとおりでした。
【JR】
- 東海道新幹線:豊橋~名古屋
- 東海道線:二川~岐阜
- 飯田線:豊橋~東栄
- 武豊線:大府~武豊(全線)
- 中央西線:名古屋~多治見
- 関西線:名古屋~桑名
- 高山線:岐阜~美濃太田
- 太多線:多治見~美濃太田(全線)
愛知県内ばかりでなく、岐阜県内を走る高山線や太多線も入っています。なお、東海道新幹線は特急券無しで自由席が利用できました。
【他の鉄軌道事業者】
- 名古屋市交通局:全線
- 名鉄:築港線を除く全線
- あおなみ線:全線
- リニモ(愛知高速交通):全線
- 東海交通事業:全線
- 愛知環状鉄道:全線
- 豊橋鉄道:全線(渥美線・市内線とも)
- 近鉄:近鉄名古屋~桑名
名鉄築港線だけ除外されているのが奇異な印象を受けますが、昼間は運転されず三菱重工や東レなど周辺事業所への通勤輸送に特化した路線なので、観光利用には使わないと判断したのかもしれません。
【バス】
- 名鉄バス:県営名古屋空港、岡崎近辺の一部路線
- 豊鉄バス:鳳来寺山、伊良湖方面の一部路線
- 岐阜バス:明治村、リトルワールド近辺の一部路線
- ゆとりーとライン:大曽根~小幡緑地
DC関連のフリーきっぷが発売されること自体は珍しくありませんが、県内の交通機関がこれだけ網羅されていたのは過去に例がないと思います。鉄道に限っては名鉄築港線以外の愛知県内の路線はすべて利用できました。この他に観光施設40ヶ所の割引特典もありました。
発売条件は①旅行会社で愛知DCの旅行商品を購入した客②「エクスプレス予約」「スマートEX」で静岡以東もしくは京都以西より愛知県内(名古屋・三河安城・豊橋)まで早特商品を利用した客でした。①は理解できますが、愛知県内を着駅とする早特商品がないところもたくさんあるのに②の条件は厳しすぎ、むしろ嫌がらせじゃないかと感じます。

私が利用した「愛知DCフリーきっぷ」の現物です。85mmにしてしまうと各社の自動改札に対応させる必要がありますから120mm券でした。まぁこれは想定内でした。有効期限がやたら大きく印字されているのは、バスで呈示する際に運転手に見やすくするためにそうしたんだと思います。
フリーきっぷを利用する際はきっぷ単体ではなく、このような専用の台紙のポケットに入れて利用するよう購入時に窓口で言われました。チケッターはきっぷではなく、台紙右下の係員使用欄に押されています。
台紙の裏面には路線図と割引特典が記載されています。きっぷの利用条件や割引特典のURLのリンクはQRコードが印刷されていて、いかにも今風ではあります。裏面左下には通番が印刷されていて、ちゃんと枚数管理をしていたようでした。
私は大学進学まで名古屋で暮らしていたんですが、今のように自由に動ける環境下にはなかったため、地元ながら未乗路線がいっぱいあります。なので、このきっぷを利用していろいろ乗ってきました。
本命は廃線が囁かれている名鉄蒲郡線と、残り少なくなってきた名古屋市交3000系だったんですが、いずれも都合が合わなくて乗れませんでした。逆に長らく乗ることができなかった名鉄豊田線や豊橋鉄道市内線には乗ることができ、まずまず満足でした。また発売してもらえればぜひ利用したいですが、多分次はないでしょうね…。
4月から始まった「静岡デスティネーションキャンペーン」でも伊豆半島の鉄道・バスが3日間利用できる「静岡DCフリーきっぷ」というきっぷが発売されています。発売条件は「エクスプレス予約」「スマートEX」で豊橋以西より熱海・三島駅まで利用した場合です。早特限定という意地悪な条件がなくなり、「エクスプレス予約」のe特急券でも利用でき、条件は大幅に緩和されています。