サフィール踊り子
◆種別:特急
◆区間:東京・新宿~伊豆急下田
1990(平成2)年から30年にわたって運転されていた特急「スーパービュー踊り子」(以下SVO)の老朽代替として、今年3月のダイヤ改正で新型車両E261系を投入した特急「サフィール踊り子」が登場しました。
サフィールの語源は「サファイア」を表すフランス語だそうで、サファイアの青さと「青く美しい伊豆の海と空」を結び付けているんだそうです。それにしても、列車名にフランス語をちりばめるのはJRグループの中で流行っているんですかね??
E261系は8両編成で全車グリーン車で普通車はありません。2編成が投入され、いずれも大宮車両センター所属です。青いメタリックの車体は光の当たり具合によって見え方がかなり変わります。明るいところでは水色っぽく見えますが、暗いところだと濃紺に見えます。
伊豆急下田方の1号車はグリーン車よりランクが上のプレミアムグリーン車です。座席が1-1列とかなり贅沢な造りです。1-1列の座席配置は今まで見たことがないです。新幹線だとグランクラス相当と言えますが、ある程度浸透したグランクラスの名称を使ってもよかったんじゃないかなと感じました。なお、プレミアムグリーン車はグランクラスと同様に株主優待の割引対象外です。
さらに2・3号車はグリーン個室です。4人用個室と6人用個室が2室ずつあります。グリーン個室があるのはSVO以来の伝統が継承されている感があります。写真がないのでサラッとスルーします。
4号車はカフェテリアです。カフェテリアというとかつて東海道・山陽新幹線の100系に設置されていた持ち帰り式のものを連想させますが、「サフィール踊り子」では軽食や飲み物が提供され、それを楽しむスペースもあり、むしろビュッフェ的なイメージです。
5~8号車はグリーン車です。2-1列配置でプレミアムグリーン車よりは狭いですが、最近のJR東日本の特急車両のグリーン席はどれも2-2列なので、SVOと同じ水準の座席が用意されこれで十分です。グランクラスのような革張りでないので座席のホールド感はしっかりしていますが、質感はザラザラしていて若干安っぽいです。しかし、レッグレストがあるのはとてもいいと感じました。
肝心の指定ですが、「えきねっと」や指定席券売機で購入できるのは5~8号車のグリーン席だけです。プレミアムグリーン席およびグリーン個室は駅や旅行会社の窓口のみの取り扱いとなります。(下記補足参照)
私は「えきねっと」で仕込みました。運転開始2日目だったので取れない可能性も心配しましたが、意外と取れました。A席は2人席の海側です。C席は1人席ですが山側です。
SVOの通常期指定席、グリーン席(SVO・サフィールとも同額)、サフィール踊り子のプレミアムグリーン席三者の料金比較をしてみました。グリーン個室はグリーン席と同額と解釈してください。
利用区間 | SVO 通常期指定席 |
グリーン席 | プレミアム グリーン席 |
---|---|---|---|
東京・新宿~伊東 | 2,280円 | 3,960円 | 5,460円 |
東京・新宿~伊豆急下田 | 2,800円 | 5,150円 | 7,470円 |
横浜~伊東 | 1,730円 | 2,250円 | 3,750円 |
横浜~伊豆急下田 | 2,250円 | 3,440円 | 5,760円 |
東京・新宿発着だと指定席とグリーン席の料金比較で1.7倍程度に跳ね上がっています。SVOが10両編成だったのに対し、「サフィール踊り子」は8両編成と短くなり定員は減りました。しかし、全車グリーン車化によって編成あたりの客単価は上がっていると思います。
グリーン料金は大人小児同額で、さらにSVOにあったキッズスペースもなくなったので、家族連れはある程度割り切って大人のグループ客にターゲットを絞ったと解釈しました。マーケティングの基本的な考え方として、ターゲットを絞ってそれに合わせた商品設計をするというのは王道なので、最終的にうまくいくか注視したいと思います。
ただ、JR東日本のよくないところは人気が一段落すると、方針がブレて安易に価値を下げるような売り方をしてしまうところです。客層を割り切ったのなら、ブレずに高級路線を突っ走って欲しいものです。くれぐれも「トクだ値」を設定したり、「大人の休日倶楽部」やク〇ブツーリズムなどに安売りすることのないように。
プレミアムグリーン車とヌードルバーについてはまた別の記事にまとめます。
【補足:2023/5/22】
「えきねっと」の改修によりプレミアムグリーン席については「えきねっと」から予約できるようになっています。