上越線と只見線の乗換駅である小出駅は1923(大正12)年に宮内駅から南進するようにして延伸された上越北線・越後堀之内~浦佐間が開通した際に開業しました。只見線はその19年後の1942(昭和17)年に小出~大白川間が開業しています。
所在地は新潟県魚沼市にあります。魚沼市の中心部である小出の市街は魚野川を挟んだ対岸にあり、駅周辺は正面の山と背後の川に挟まれていて狭くて意外と閑散としています。尾瀬観光の新潟側から入るルートの玄関口となる駅で上越新幹線開業前は優等列車が停車していました。なお、スキー場は湯沢近辺に集中していてこの辺りはあまり多くないようです。
かつては夜中の3時にも駅員が改札するような直営駅でしたが、現在はこの辺りの駅の類に漏れず業務委託化されています。
隣の越後堀之内駅が2022年9月で無人化されて魚沼市内で唯一の有人かつみどりの窓口設置駅となりました。しかし、近隣の新幹線停車駅である越後湯沢駅や浦佐駅ですらみどりの窓口が閉鎖されていることを鑑みると、小出駅の規模で残っているのは不思議ではありました。
そうして不思議と生き残っていた小出駅のみどりの窓口でしたが、合理化の波に逆らえず昨年2月末で閉鎖されてしまいました。指定席券売機も多機能券売機の設置もなく定期券すら買えない状態になっていました。
これまでであればいつもの常套句「ご理解とご協力を」で済ましたんでしょうけど、小出駅ではちょっと違ったことが起きました。
みどりの窓口から7ヶ月経った昨年10月より券売機で買えない乗車券・自由席特急券・定期券を改札窓口のPOS端末で発売することになりました。指定席については発券まで時間がかかるようですが取り扱い自体はあるようです。
JR東日本管内でマルス→POSへの端末のグレードダウンは地方の駅でたまに見受けられますが、月単位の空白期間が挟まってそれが実施された例は聞いたことがありません。
小出駅の1日の乗車人員が700人程度あり、通勤通学で利用する人はそれなりにいると思います。市内唯一の有人駅で定期券が買えないのは当然不便だったでしょうから、みどりの窓口閉鎖後に苦情や要望は相当数出たと考えるのが自然です。
さすがのJR東日本もそれに応えてPOS窓口として再開させたのかなと考えています。対応時間は短縮したものの、みどりの窓口が閉鎖されてからも業務委託の改札係員はいるので、端末の手配さえできれば窓口の再開は比較的容易だったと思います。
小出駅の新旧入場券です。掲示に入場券を発売する旨の記載はありませんが、業務委託駅なので問題なく発券してもらえます。指定券は用途がなかったので買いませんでしたが他にも乗車券やら自由席特急券やらをいろいろ買いこみました。
ちなみに窓口のシャッターは「みどりの窓口はございません」の貼り紙が貼られたままずっと閉ざされています。有人時間帯でも開くことはありません。きっぷを買いたい場合は改札口に行く必要があります。
これから東京へ行く新幹線のきっぷを買いたそうなおばちゃんがいましたが、一見さんだととてもきっぷが買えそうな雰囲気には見えません。あまりPOS端末できっぷを売りたくないのかもしれませんが、普通に窓口を開けた方が親切だと思うんですけどね。